【全国総合聯合ニュース】今年で72周年を迎える韓国の光復節(8月15日、日本による植民地支配からの解放記念日)の前日となる14日は「世界慰安婦の日」だ。 世界慰安婦の日は、1991年8月14日に旧日本軍慰安婦被害者の故金学順(キム・ハクスン)さんが初めて自身の被害を公の場で証言したことを記念する日で、2012年末に開かれた慰安婦問題解決に向けた「アジア連帯会議」で制定された。 証言から20年後の11年には慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」がソウルの日本大使館前に初めて建立された。市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」が慰安婦問題の解決を求め毎週水曜日に同大使館前で開催する「水曜集会」の1000回目となる同年12月14日に設置した。 最初の少女像が建立されてから今年3月までに全国で73体の少女像が設置され、今年の世界慰安婦の日と光復節に合わせ、新たに約10体の少女像が設置される。◇か細い少女像から堂々とした少女像に 今年、新たに設置される少女像はこれまでのか細い姿ではなく、堂々とした様子で製作された傾向が強い。 南西部の光州市北区に設置される少女像は、立ち上がって前に進む強い意志を示す姿をイメージして製作されており、同市の南区では慰安婦被害者の李玉善(イ・オクソン)さんをモデルに、李さんの16歳当時の姿と現在の姿の像を並べて配置する。 11年にソウルの日本大使館前に設置された少女像を原型として全国で約80体まで増える過程で、多様な意味や価値が込められるようになり、積極的で堂々とした姿に変化したといえる。◇少女像の建設 「正しい意味を再確認する契機に」 慰安婦問題を巡る15年12月28日の韓国と日本の合意以降、16年12月30日に釜山の日本総領事館前に少女像が設置され両国間で新たな摩擦が生じてから、全国で少女像の設置はかえって増えている。 少女像の設置が慰安婦問題に対する関心の高さを示すのであれば歓迎すべきことだが、各地方自治体が争うように少女像の建設を推進することで、慰安婦問題が少女像という造形物に限定され、本来の意味が薄れるとの懸念も出ている。 光州市にある五つの区の全てが新たな少女像を設置する動きを見せた際、同市の市民団体は慰安婦問題をどのように記憶していくかという議論を活発に行わないまま、世界慰安婦の日に新たな少女像を除幕することだけを目標にしているのは残念だとの見解を示した。 同団体は「世界慰安婦の日と光復節が持つ象徴性は理解できるが、期限に合わせれば拙速な進行になったり、それぞれの区の競争として受け止められたりする懸念がある」とし、「少女像を建てる過程が『正しい韓日関係』『正しい歴史認識』を再確認する契機にならなければならない」と強調した。
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