貿易収支の悪化は、世界のサプライチェーン危機の影響により国際原油価格と原材料価格が高騰し、輸入額が急増したことが原因だ。今月1〜20日の輸出入統計を見ると、原油の輸入額が前年同期に比べ84%増加し、ガス(60.4%増加)、石炭(321.3%増加)の輸入額も急増した。この期間中、全体の輸入額が37.8%増加し、輸出の増加率(24.1%)を大きく上回った。輸出部門も楽観できる状況ではない。金額ベースでは20%台の増加率を示しているが、これは輸出品の単価が上がることによって現れた錯視効果にすぎず、物量ベースでは足踏みしている。中国の上海など主要都市のロックダウンも悪材料になっている。
韓国は1998年から貿易黒字国の仲間入りを果たし、その後24年間、2008年を除いて貿易黒字を維持してきた。この期間中の累積黒字額は8500億ドル(約108兆円)に達し、特に2017年には一年間の貿易黒字額が1000億ドル(約12兆7000億円)に迫るほどの貿易黒字を記録した。毎年貿易で稼いだ莫大な黒字額は、天然資源のない韓国が安定的な経済成長を持続できる礎(いしずえ)になった。
しかし、今年に入ってから状況が変わった。月別の貿易収支が2021年12月に初めて赤字に転じて以降、現在まで2月を除いて赤字を記録し続けている。国際原油価格が早期に安定化することは期待しにくい状況で、貿易収支赤字基調の固定化が懸念されている。このような状況にもかかわらず、韓国政府はいまだ対策を打ち出していない。まずは外部からのショックに弱い構造を改善しなければならない。貿易の対中依存度を下げ、ASEANやインドなどの中国に代わる貿易相手国の発掘を強化すべきだ。
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