会見を行う仁川海洋警察署長=16日、仁川(聯合ニュース)
会見を行う仁川海洋警察署長=16日、仁川(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】2020年9月に海上で韓国男性公務員が北朝鮮軍に射殺された事件を巡り、この男性が越境したと断定できる根拠はないとした海洋警察の発表に対して、文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代の青瓦台(大統領府)高官らは反応を示していない。 事件当時に青瓦台に在職していた高官は16日、聯合ニュースの取材に対し「青瓦台は当時、海洋警察の調査結果を見て対応しただけだ」としながら「(海洋警察が)2年前の調査を覆したことに対して特に言うことはない」と述べた。 革新系最大野党「共に民主党」も立場を表明していない。同党が与党だった時に発生した事件ということもあるが、死亡した男性が越境したという判断を下したのは当時の海洋警察であることから、直接対応する必要はないという意味とみられる。文前政権で青瓦台は海洋警察から調査結果の報告を受ける立場にあったにすぎず、越境の是非の判断には介入しなかったということだ。 ただ、一部の関係者は「当時の政府が事実と異なる事件の真相を発表する理由がない」と不快感を示した。 海洋水産部所属の公務員だった男性は20年9月21日、北朝鮮に近い韓国北西部の小延坪島付近で漁業指導船乗船中に行方不明となり、翌日北朝鮮側海域で北朝鮮軍に射殺された。 海洋警察は男性が行方不明になってから8日後、韓国軍当局と情報当局が北朝鮮軍の内部通信を傍受した内容や漂流予測の分析結果などを根拠に、男性が越境したと判断されるとの中間捜査結果を発表した。  だが、仁川海洋警察署は16日の会見で、幅広い可能性を念頭に置いて現場調査を進めたが、越境の意図を認めるだけの証拠を発見できなかったとする最終調査結果を発表した。
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