とくにバッテリーや半導体、自動車など海外に大規模な工場建設を計画している大企業は、現地工場建設に当初の計画より、さらに大きな費用を投資しなければならない状況だ。
29日、関連業界によると、LGエネルギーソリューションは、今年第2四半期に着工する予定だった米アリゾナ円筒型バッテリー工場の建設計画を見直すことにした。
1兆7000億ウォン(約1783億円)が投入される予定だったこの工場は、「円筒型バッテリー独自生産工場」という点で業界の注目を集めている。それは韓国バッテリーメーカーの中で、同社が初めて北米市場に円筒形バッテリー専用の独自生産工場を建設するためだ。
2024年下半期から量産に突入する予定だった。しかし、同社は最近ウォンドル為替レートが急騰して、工場建設費用が大幅に増加したため、投資の収益性を再確認することにした。
発表当時、1ドル=1213.8ウォンだったウォン相場は、着工を前にした最近、1300ウォン台までウォン高ドル安が進んでいる。
ただ、同社はこれらの見直しが工場計画の撤回ではないという。現地の状況によって、投資規模や時期などを調整する。
バッテリー業界関係者は「投資費用が大幅に増えただけに、LGエネルギーソリューションがバッテリー販売価格などを巡り、顧客会社と協議に乗り出したのだろう。これまでの案どおり投資を進めるか、規模面で一部調整するかは1~2か月後に決まると思う」と述べた。
170億ドルを投入して、米テキサス州テイラーに半導体工場を建設しているサムスン電子も、費用負担が大きくなっている。昨年11月、工場の敷地をテイラー市に決めた時は、投資金額は韓国ウォンで計20兆ウォン(約2兆970億円)規模だった。しかし、6か月過ぎウォン高の影響で2兆ウォン(約2097億円)ほど負担がさらに増えた。
ただ、サムスン電子は2024年下半期の稼働目標時点まで、まだ約1年6か月残っているだけに、工場建設を計画通り進めるという。また、米国法人に留保されたドル資金を優先的に活用するため、為替レートの影響はそれほど大きくないものとみられる。
しかし、米国ではインフレが深刻化し、原材料価格や人件費、物流費などが急騰している。費用負担は当初の計画よりさらに増えるものと予測される。
米ジョージア州に、年間30万台規模の電気自動車専用工場とバッテリーセル工場の建設計画を発表した現代自動車グループも、市場状況を注視している。6兆3000億ウォン(約6608億円)を投入し、2025年上半期の稼働を目標に来年上半期に着工する計画だが、経営の不確実性が高くなっているためだ。
関連部品協力会社の同伴進出にも暗雲が立ち込めている。すぐにも費用負担が大きくなり、新規進出が容易ではないという分析が続いている。
韓国の国内投資も影響が懸念される。実際、ウォン安が進めば、海外から原材料や設備などを持ち込む際、より多くの資金を投入しなければならない。景気萎縮に伴う需要鈍化も、大規模投資を控えた企業に負担だ。
業界のある関係者は「高金利・高為替レート・高物価の3重苦で工場建設費だけでなく、利子費用も大幅に増えている。消費心理まで萎縮し、当初の投資計画を無理に履行する必要がないという雰囲気も流れている」と述べた。
Copyright(C) herald wowkorea.jp 104