20日付のドイツのロイター外信の報道を総合すると、厚生労働省傘下の「医薬品医療機器総合機構」は、ゾコーバの緊急承認再審の件に対する専門家会議を通じて「提出された資料だけではゾコーバの有効性を判断することが難しい」という立場を明らかにしたことが確認された。今年6月に開かれたゾコーバの緊急使用承認に関する初めての審議で緊急承認の保留決定を下してから1か月で最終緊急承認の保留決定を下したのだ。
この日、医薬品医療機器総合機構側は「ゾコーバの臨床2相の結果を見ると、新型コロナウイルス感染症を引き起こす『SARS-CoV-2』の量が減少する傾向が観察される」としたが、「しかし、臨床的な症状の改善をはじめとする有効性を推定する根拠としては不足している。今後の3相の結果を踏まえて(緊急使用承認を)見直す必要がある」と説明した
ゾコーバは米国の製薬大手「ファイザー」の新型コロナウイルス経口治療剤である「パクスロビド」のようなタンパク質分解酵素抑制方式の抗ウイルス剤として知られている。すなわち、「SARS-CoV-2」が保有している「3cl-プロテアーゼ」に選択的に結合し、増殖に必要な必須タンパク質の生成を防ぐ作用をするということだ。
従来のパクスロビドや米国の製薬企業「メルク・アンド・カンパニー」(MSD)の「ラゲブリオ」などの新型コロナウイルス感染症経口治療剤は5日間で30~40粒を投薬する必要があった。一方、ゾコーバは5日間で7錠のみを投薬すればいいという便宜性から、業界の注目を集めてきた。
ところが、ブルームバーグなど一部の外信は、医薬品医療機器総合機構による2度目の承認保留決定で、緊急承認制度を通して迅速に市場に参入するという戦略が事実上水の泡になったという分析を出した。しかし、業界では、まだ日本国内のゾコーバの緊急承認手続きが完全に遮られたわけではないという意見も提起されている。
韓国国内の新薬開発業界の関係者は「緊急承認制度は今年5月に導入され、明確な手続きが用意されたわけではない」とし、「ゾコーバの臨床3相の結果が出る時点が近づいてきたので、その初期分析結果も含めて緊急承認を再び進めていくことも可能だ。臨床3相のすべての結果について、長時間検討する正式承認手続きを経るという意味なのかについては、当局の措置をさらに見守らなければならない」と説明した。
塩野義製薬側はゾコーバに対する緊急承認議論を継続すると同時に、今年下半期中に臨床3相のトップライン・データが準備でき次第、医薬品医療機器総合機構に提出する予定だ。塩野義製薬は現在、日本をはじめとする米国や韓国、中国などで、ゾコーバのグローバル臨床3相を進めている。
一方、昨年11月に塩野義製薬とゾコーバの韓国国内販売および臨床3相の開発契約を締結した日東製薬の株価が緊急承認の再保留のニュースによって再び動揺した。再保留翌日の21日、日東製薬の株価は取引開始と同時にストップ高水準(29.96~29.87%)にとどまっている状況だ。当初、日東製薬は日本国内の緊急承認許可を前提に8月頃に韓国・食品医薬品安全処にもゾコーバの緊急承認を申請する計画だったが、これもやはり全面的な計画修正が避けられなくなった。
日東製薬の関係者は「韓国では今年5月20日頃に国内臨床3相の200番目の患者を募集し、すでに投薬が完了して結果を追跡している。早ければ今年8月中に韓国と日本での臨床3相のトップラインデータが出ると判断する」と説明した。
関係者は続けて、「トップライン結果を外部に公開して承認手続きを進行するか、該当の結果を審査先だけに提出する方式で緊急承認再審議論を継続するかなどは決定されていることがない」として、「日本国内で新しく導入された緊急承認制度に対して、塩野義製薬側も明確な対応戦略を用意するために慌ただしいことを理解している。両社が緊密に協議し、ゾコーバの許可が早く下りるように尽力していく」と述べた。
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