商品収支が10年ぶりの赤字...中国への輸出拡大が鍵との声も=韓国(画像提供:wowkorea)
商品収支が10年ぶりの赤字...中国への輸出拡大が鍵との声も=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国では7月の商品収支が10年3か月ぶりに赤字となった。8月には商品だけでなくサービス・所得収支などを含む経常収支も赤字を出す可能性が高い。すでに財政収支が数年間赤字であることを考えれば、国家経済が内外で双子の赤字に陥る危険も排除できない。

 韓国メディア「アジア経済新聞」によると、韓国の商品収支は10年3か月ぶりに赤字を記録したという。韓国銀行によると、先月の経常収支は10億9000万ドルの黒字を記録したが、黒字幅は前年同期比66億2000万ドル減少。5か月連続で続いた貿易収支の赤字にもかかわらず、持ちこたえていた商品収支が赤字に転じた影響が大きかった。先月の商品収支は11億8000万ドルの赤字で、前年同期比67億3000万ドル急減した。商品収支が赤字を記録したのは、2012年4月以降10年3か月ぶりのことだ。

 財政収支と経常収支がともに赤字を出す「双子赤字」が現実化しかねないという憂慮の声も出ている。原材料価格の上昇と輸出不振で貿易収支が5か月連続赤字になっている。こうした状況で、商品収支の赤字幅が大きくなれば経常収支さえ赤字に転じる可能性もある。経常収支は2020年5月以降、今年3月まで23か月連続黒字を維持したが、4月に商品収支の悪化などが影響し赤字を出している。

 商品収支が急激に悪化したのは、輸入が急増しているのに対し、輸出が低迷しているためだ。不安定なサプライチェーンとウクライナ戦争の影響で原材料価格が暴騰し、7月の輸入は21.2%も増えている。その反面、輸出は6.9%の増加に止まった。商品収支を黒字に戻すためには、輸入を減らし、輸出を増やさなければならない。しかし、韓国の輸出は日増しに活力を失いつつある。

 韓国開発研究院(KDI)の分析によると、昨年下半期から1日平均輸出量の増加率が目立って下がり始めた。韓国の輸出危機の中心には中国がある。中国は韓国輸出の4分の1を占める最大市場だ。しかし最近、中国の産業高度化政策による技術の追撃で、韓国産業の対中国競争力が急速に弱まっている。

 イーデイリーの9日付社説では、「先端産業分野で続いている対中国技術の優位を確保する一方、中国に代わる新市場の開拓に乗り出すべきだ。輸出が経済成長のエンジンとして、その役割を続けられるように、戦略を整えなければならない時期だ」と指摘した。
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