フィッチはまた、韓国銀行が今月基準金利を0.5%引き上げ、今年末まで最終金利を3.5%に維持すると予想している。最近、米国の物価上昇率がピークを過ぎたという見方が出ており、米国連邦準備制度(Fed)の金融政策が変化するとの期待もあるが、依然インフレに対する懸念があると判断している。
フィッチのアジア太平洋信用格付けを担当するジェレミー・ジューク理事は11日、ソウル市ヨンドゥンポ(永登浦)区ヨイド(汝矣島)のコンラッド・ソウルで開かれた記者会見で、「市場ではFedが金利引き上げのペースや幅がこれまでより鈍化すると予想しているものとみられるが、着実な(物価の)下落が起こらない限りFedの金融政策に変化はみられないだろう」と述べた。
ジューク理事は続けて「ただし、可能性の面では韓国銀行が今月金利を0.25%ポイントの引き上げにとどめる可能性がさらに増えるとみている」と述べ、「最近国内の債権市場の変動状況に関連して急激な金利引き上げを決めた場合、安定性に及ぼす影響を韓国銀行がもう少し考慮する可能性がある」と付け加えた。
この日フィッチは韓国経済の短期・長期的リスクの要因についても言及した。ジューク理事は「短期的リスクの中で重要なのは、今後世界経済がどのように進行し、景気低迷がどのように進行するかについての部分」と述べ、「韓国は対外需要に依存する経済構造を持っているため、対外需要が悪化するとすれば経済減速リスクがさらに高くなるものとみられる」と述べた。
また、このまま金利上昇基調が続いた場合、家計負債の返済能力にどのような影響を及ぼすのか、またそれによって韓国国内の債権市場や資金市場環境がどのように変わるのかに関するリスクがあると説明した。ジューク理事は「これについては調節が可能だと思うが、金利引き上げペースの側面で潜在的に脆弱(ぜいじゃく)性が現れる可能性がある」とし、「それによって経済減速リスクが高まれば韓国の信用格付けにも影響を及ぼしかねない」と述べた。
今後も高齢化にともなう財政支出が増加するものと予想されているため、国家負債もやはりリスク要因になるとみている。ジューク理事は「韓国は今後高齢化が予想されており、長期的に財政需要が上昇する可能性がある」とし、「それによって財政収支が圧迫される恐れがある」と述べた。
韓国の場合、不動産市場が家計負債を上昇させる圧力として作用するという点についても懸念している。ジューク理事は「今は金利上昇期であるため、不動産関連の需要が減少して価格下落の圧力になっている」とし、「ただし現在の下落幅は他の国よりも小さいとフィッチではみており、この現象自体は調節可能だと考えている」と述べた。
ただしジューク理事は「韓国の場合、相対的に家計負債が増え、住宅価格の上昇が同時進行した」と述べ、「他の国に比べて住宅担保融資の中で変動金利融資の割合が高く、金利上昇期の借主の返済への負担が急速に大きくなる恐れがある」と指摘している。
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