韓国、従業員500人以上の企業に「性別勤労公示制」導入か...「企業の自律性を侵害する」と批判の声も(画像提供:wowkorea)
韓国、従業員500人以上の企業に「性別勤労公示制」導入か...「企業の自律性を侵害する」と批判の声も(画像提供:wowkorea)
韓国の女性家族省は従業員500人以上の企業を対象に、「性別勤労公示制度」を導入することにした。この制度は性別格差を解消するために、ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が大統領選挙で公約して話題になった制度だ。しかし、韓国内では企業の自律性を侵害するとの理由で、批判の声も出ている。

 韓国メディア「イーデイリー」によると、女性家族省は26日、このような制度を含んだ「第3次両性平等政策基本計画(2023~2027)」を発表した。

「性別勤労公示制」は各企業が職員の採用から退社まで、重要項目に対する性別データを外部に公開する制度だ。採用書類から部署別、昇進、育児休暇などまで適用され、性別データを公開することになる。

 雇用労働省は、今年から公共機関で試験的に導入し、法改正を通じて従業員500人以上の企業を対象に、公示を義務化する方針だという。

 近年、韓国の就職市場では男女の不公平が主な話題となっている。しかし、実際の労働現場では依然として性別による賃金格差や勤続年数格差が存在。韓国の性別賃金格差は経済協力開発機構(OECD)国家の中で最も高いのが実情だ。性別賃金格差の主な原因としては、結婚・妊娠・出産・育児時期にある30~40代前半の女性の雇用率が落ち、M字カーブ現象を見せていることにある。

 韓国では性別間の不公平な家事・介護分担も依然として残っている。共働き夫婦でも60%以上の女性が家事や介護を担当。男性の育児休職率は着実に上がっているものの、2021年の時点では4.1%と低く、男性の労働時間も未だに長いほうだ。

 同制度はこうした問題を解決するためのものだが、批判の声も上がっている。

 韓国経済新聞は27日付の社説で、「性差別の解消および被害勤労者の救済のために、法や制度が整っている状況で、企業に性別公示制まで要求し、男女格差を人為的に矯正するということには共感しにくい」と反対意見を述べた。

「機械的に男女の賃金バランスを取らなければならないという圧迫こそ、企業の自律性を侵害する歪んだ規制」と批判した。
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