【ソウル聯合ニュース】北朝鮮メディアは8日開催された朝鮮人民軍創建75年の閲兵式(軍事パレード)で金正恩(
キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の娘、キム・ジュエさんの存在を大きく取り上げた。それと対照的に、北朝鮮の事実上のナンバー2とされてきた金正恩氏の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長が会場でひっそりたたずむ様子が北朝鮮メディアの映像に映っていた。 ジュエさんは8日の閲兵式に金正恩氏と手をつないで登場し、共に閲兵した。ひな壇でも父の顔に手を伸ばす様子などが見られた。 朝鮮中央テレビが公開した閲兵式の映像には、会場に集まった軍人らの後方に黒いコート姿で1人立つ女性の姿があった。与正氏とみられる。韓国統一部当局者は14日、記者団の質問に「金与正とみられる人物が閲兵式の映像で確認された」と答えた。 これまで北朝鮮の主要行事では、金与正氏が金正恩氏のそばに控えたりひな壇に立ったりしていた。だが今回はひな壇に姿がなかった。兄夫妻とめいの登場を見守りながら実務に徹したと分析されている。 この統一部当局者は「ひな壇に立たなかったからといって、現時点で特に言及する内容はない」と判断を差し控えた。だが、ジュエさんの登場で金与正氏の立ち位置に変化が生じたと指摘する声もある。 海外メディアの中には、金正恩氏夫人の李雪主(リ・ソルジュ)氏が金与正氏の影響力拡大を懸念しており、安心させるために金正恩氏がジュエさんを表舞台に立たせたという見解も出ている。 北朝鮮ではジュエさんの権威付けといえる動きも目立つ。閲兵式の映像ではジュエさんが乗る馬とみられる白馬が登場し、14日には、新たに発行する記念切手としてジュエさんをあしらったデザインが公開された。 ただ、ジュエさんが金正恩氏の後継者なのかに関しては、まだ懐疑的な見解もある。
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