サムスン電子が積極投資に乗り出した。攻撃目標はファウンドリー分野で世界第1位の企業である台湾のTSMCだ。市場調査会社のトレンドフォースによると、2022年の第4四半期時点のファウンドリー世界市場シェアはTSMCが58.5%で、サムスン電子(15.8%)を大きく上回っている。メモリー分野で世界第1位の企業であるサムスンは、ファウンドリー分野の急成長を受けて遅れてこの市場に参入したが、TSMCとの格差縮小に苦戦している。その上、最近になって供給網問題が浮上し、米国、日本、台湾、中国などが自国の半導体産業を育てるために全面的な支援を始めている。米国は25%の税額控除の恩恵を与え、日本も先端産業投資額の40%を政府が支援し、中国は半導体生産部門の法人税を免除するなど、半導体の主導権を巡る世界の覇権競争がますます激しくなっている。
米国とEU諸国はこれまでサムスンに工場誘致のラブコールを送ってきた。それでもサムスン電子が韓国国内の龍仁を製造拠点として指名したのは、韓国経済にとっては大きな後押しになる。半導体産業(2020年時点)は国内総生産(GDP)の5.6%、設備投資額全体の24.2%、総輸出額の19.4%を占める。今後計画されている投資が全て行われれば、700兆ウォン(約72兆円)の直接的・間接的生産の誘発と160万の雇用が新たに創出される。サムスン電子は技術的優位を土台に莫大な生産能力を備えることになり、メモリに続いてシステム半導体分野でも「サムスン神話」を作る準備を整えることができる。
半導体は韓国経済を支える生命線と言っても過言ではない。サムスン電子は個人株主が600万人に達しており、すでに国民的企業だ。もしもサムスン電子と半導体分野の覇権が崩壊すれば、韓国経済はグローバルな舞台で存立しにくいのが現実だ。共に民主党がこれまで一貫してきた反対をやめて半導体特別法の国会通過に協力することを決めたのは遅れた感はあるが幸いだ。今はまさに半導体分野の覇権を守るために国家の力を総動員しなければならない時だ。
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