いじめ加害者の身元公開し”復讐”、1人は失職… 人気ドラマ「ザ・グローリー」の現実版が韓国で話題に(画像提供:wowkorea)
いじめ加害者の身元公開し”復讐”、1人は失職… 人気ドラマ「ザ・グローリー」の現実版が韓国で話題に(画像提供:wowkorea)
現在、韓国ではリアル「ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜」が起こったと注目を集めている。校内暴力(いじめ)の被害者=ピョ・イェリム氏をいじめていた加害者らの身元がネット上で拡散し、このうち1人は仕事を失うなど波紋が広がっているのだ。

韓国ドラマ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」のネタバレあらすじ、キャスト、視聴率、相関図、感想

 去る18日、ユーチューブ(YouTube)チャンネル「ピョ・イェリムの同窓生」には、「校内暴力の加害者らの身元を公開します」というタイトルで動画が掲載された。

 投稿者Aさんは「(ピョ)イェリムは小学校から高校まで、4人が属するグループからいじめを受けていた」とし、「イェリムはまだ苦痛を受けながら生きているのに、加害者たちは楽しく暮らしている。これ以上、イェリムの苦しみを無視することなく、匿名の力を借りて加害者らの身元を公開することにした」と明かした。

 Aさんは「加害者らは、イェリムの肩をわざと折ったり、転ばせたり、服に臭い匂いを付けたり、暴言を吐いたり、頭を押さえて便器に顔を入れたりした。イェリムが何の反応も見せないと、もっと苦しめようとした」とし、「単純に友人同士でふざけているのではなく、暴力行為だった」と暴露し、加害者らの身元を公開することになった背景を説明。

 Aさんが公開した人物は4人。校内暴力を主導したBさんは現在、陸軍の軍務員として働いているという。またCさんは美容師、Dさんは恋人と幸せに暮らしていると近況を明かした。また、改名をしたEさんについては、現在の名前も公開した。

 この事実が広まると、1人は「仕事を解雇された」と伝えられている。

 身元が公開された後、加害者として指摘された人物が働いていた美容室は立場文を通して「校内暴力を擁護したり、隠したりする意図は少しもない。事実がどうあれ、店も被害を受けていることについて困惑し、手が震える。事実を知っていたら、(最初から)採用しなかった」とし、「校内暴力事件を知った後、入っていた予約をキャンセルして(本人は)店に出勤していない」と明かした。当該店舗は、問題の人物について別途の法的措置を取る予定だ。

 ピョ氏は、この美容室に”テロ”が相次ぐと、自身のユーチューブチャンネルを通して「美容室は事件と関係がない。店で働くフリーランサーというだけで、加害者の店ではないことを理解してほしい」とし、「美容室に電話したり、テロ行為を繰り返したりしないでほしい」と呼びかけた。

 校内暴力加害者の身元情報を公開するなどの”プライベート復讐(ふくしゅう)”については、名誉毀損(きそん)を懸念する声も上がっている。

 人気ドラマ「ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜」の中で、女優ソン・ヘギョが演じた主人公ムン・ドンウンのように実際にプライベートで復讐を行う場合、実定法違反で処罰を受けることもあると専門家は指摘する。

 チャン・ヒョガン弁護士は「ユーチューブのようなメディアの影響力は非常に大きい」とし、「理性的に実際の犯罪の加害者が『合っているか』に対する検証が必要だ」と話した。チャン弁護士は「個人的な感情だけで誤った情報を広げる可能性もある」と警告している。

 実際に去る2020年、ある女性が自身と同じ小学校、中学校を卒業した同窓生が結婚準備中だったことを知り、結婚相手の家族のSNSに「いじめ加害者だった」とコメント。その後、情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律上の名誉毀損容疑で300万ウォン(約32万円)の罰金刑に処された。

 当時、裁判部は「被告人が書き込んだ文章によって、同窓生の結婚相手の家族に当該事実が伝えられる可能性が十分にあり、伝播の可能性の理論によれば公然性が認められる」と判決理由を説明した。

 チャン弁護士は「”ピョ・イェリム事件”または、インターネット上で持続的に身元情報が再生産されると、伝播の可能性に対する懸念もある」とし、「加害者の身元公開にどれだけ”公益的な目的”があるのかがキーポイントになる」と説明した。

 名誉毀損が認められれば、”誹謗(ひぼう)目的”となるが、ピョ氏に対するいじめ加害者の公開は、すでにMBC「実話探査隊」などを通して公益性が認められている状態だ。また、世間の共感が得られた事件について、裁判所も社会的な流れに沿うしかないという見方もある。

 チャン弁護士は「最も良い方法は、このような事件が発生しないように制度的な措置を設けることが最優先だ」とし、「校内暴力や職場内の嫌がらせなどは、非常に多くの問題を抱えている。このような事件を防ぐ社会認識の成熟が切実に求められる」と強調した。

Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 4