韓国の輸出が3月までの半年間マイナス成長をしている中、この4月もマイナスの流れが続いている(画像提供:wowkorea)
韓国の輸出が3月までの半年間マイナス成長をしている中、この4月もマイナスの流れが続いている(画像提供:wowkorea)
韓国の輸出が先月までの半年間マイナス成長をしている中、この4月もマイナスの流れが続いている。

今月20日までの輸出額は323億7000万ドル(約4兆3416億円)で、昨年同期間より11.0%減少した。同期間の輸入額は11.8%減の365億900万ドル(約4兆8968億円)と集計されたことで、貿易収支は41億3900万ドル(約5551億ドル)の赤字を記録した。やはり、「半導体」(マイナス39.6%)や「中国」(マイナス26.8%)など、韓国の輸出における2大柱が崩れている。ことしに入り積み重なった貿易赤字は265億8400万ドル(約3兆5656億円)に達し、すでに過去最大の赤字を記録した昨年(478億ドル)の半分を越えている。

また大規模な貿易赤字により、為替も揺れ動いている。ことしに入り米ドルは主要国の通貨に対し弱まっているが、唯一韓国の通貨価値だけがドルに対し下落している。これは、韓国の主力産業である半導体の寒波や輸出の不振・経常収支の赤字・内需の委縮・成長率の低下など、韓国経済のファンダメンタル(基礎体力)の弱まりが核心的要因だとみられている。

問題は「これからの展望も明るくない」という点だ。中国のリオープニング(経済活動の再開)効果が予想より遅くなっていることから、韓国の輸出反騰も時間がかかる可能性が高い。また、国内の景気状況により韓国銀行が基準金利をたやすく引き上げることができない中、過去最高水準で広がっている米韓の金利格差も問題である。現在1.5%である米韓の金利格差は、米国が1~2回基準金利をさらに上げれば、最大で2%までその格差が広がることになる。その場合、ウォンが急激に弱まる可能性が高い。「ウォンの弱まり」は輸入原資材価格を引き上げ、貿易収支を悪化させる悪循環のテコとして作用することになる。

結局、「中国」「半導体」という韓国の輸出2大要因への依存度を下げることが、何よりも急がれる課題だ。

昨年につづきことしも輸出が2桁の増加と勢いづいている電気自動車と2次電池が、半導体の隙間を埋めなければならない。また、米中覇権競争により不確実性の高い中国のかわりに、グローバル景気沈滞の中でも依然として経済成長率がしっかりしているベトナムやインドネシアなどのASEANへと、輸出を多角化させなければならない。さらには、原子力発電と防衛産業の輸出が有望な東欧、ポストオイル時代に備え大々的な投資をしている中東においても、素早い市場の先取りが必要だ。

もちろん、韓国企業が貿易戦線におけて軽快に活動できるよう、韓国政府が規制改革と税制支援をもってバックアップしなければならないのは言うまでもない。

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