韓国政府は自国の経済が今年の上半期には停滞を免れなかったが、下半期には景気が回復し「底入れ」するとみている。実際、先月の貿易収支が16か月ぶりに黒字に転じ、輸出額も減少幅が減った。しかし、このような状況にもかかわらず、成長率の予想値を引き下げなければならないならば、事態を重くみるべきだ。今年の成長率予想値は、新型コロナウイルスの感染拡大により苦しんでいた過去3年間の年平均成長率(2.1%)より低い。韓国政府は来年には経済が完全な回復に向かうと予想している。しかし、韓国政府が提示した来年の成長率予想値(2.4%)は新型コロナウィルスのパンデミック前の5年間(2020年から2022年)の年平均成長率(2.8%)にはるかに及ばない。
このような状況は、低成長が景気悪化にともなう一時的な現象ではないことを示しており、韓国経済の低成長が慢性化することを懸念せざるを得ない。低成長は輸出主力産業の競争力の低下に端を発している。輸出は韓国経済を支える柱だが、2022年10月以降9か月連続で減少傾向を脱することができずにいる。半導体と中国の景気低迷が最大の要因と指摘されているが、これが全てではない。鉄鋼、造船、石油化学、電子など主力産業の大半が不振にあえいでいる。これは中国の急速な技術追撃により、韓国の輸出品の競争力が相対的に低下したためとみるべきだ。
ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は、輸出を拡大させることが下半期の経済政策の最優先課題だと強調した。方向性は定めたが、政府による政策の内容の中には輸出競争力を強化する具体的な案は見当たらない。韓国政府には韓国の主力産業の中国に対する技術優位性の確保を通じて輸出不振を解消し、低成長を克服できる根本的な対策を講じてほしい。
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