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韓国開催の世界スカウト大会 台風6号で首都圏に避難
【扶安聯合ニュース】韓国南西部・全羅北道セマングムで開催中のボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「世界スカウトジャンボリー」(1~12日)に参加しているスカウトらが台風6号の接近に伴い、会場内のキャンプ地を離れ、ソウルなど首都圏に向かうことが7日、分かった。世界スカウト機構がホームページで発表した。 韓国政府などによると、各国の参加者は8日午前10時ごろから順次、現地を出発する予定だ。 夏季休暇中の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はこの日午前、韓悳洙(ハン・ドクス)首相と李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官から「緊急時対応計画」に関する報告を受けた。 スカウトらがキャンプ地を離れることになり、キャンプ地から近い全州ワールドカップ競技場で11日に開催予定だったK―POP公演もソウルワールドカップ競技場などで開催する案が検討されている。◇猛暑での中止危機を乗り越えたものの台風で撤収 記録的な猛暑や非衛生的な施設などの問題で一部の国の参加者が撤収を決める中、スカウト機構と韓国の組織委員会は同地で続行する意思を示していたが、台風の接近に伴い、結局、キャンプ地からの撤収を決めた。 スカウト機構は韓国政府から大会の参加者全員を予定より早くセマングムから出発させる予定であるとの連絡を受けたとし、参加者が帰国するまで必要な支援を提供するよう韓国側に要請したと説明した。 韓国政府も同日、セマングムからの早期撤収を宣言し、緊急時対応計画を発表した。行政安全部の金星鎬(キム・ソンホ)災難(災害)安全管理本部長は現地で記者会見を開き、「台風が襲来した場合、全羅北道が影響圏に入ることになり、大会の運営が困難になることが予想されるため、尹大統領の指示を受け、計画をまとめた」と述べた。計画にはスカウト機構や各国の要請が反映されたという。 各国のスカウト隊員らは8日午前10時ごろから順次、セマングムのキャンプ地を出る予定だ。156カ国・地域から参加している3万6000人余りが対象で、移動のため約1000台のバスが投じられる。◇スカウトらは首都圏に K―POP公演も首都圏開催が有力 スカウトらは南西部の開催地から、台風の影響が少ない首都圏に移動し、その後の日程を消化する。 韓国政府は残りの5日間、宿泊地と新たなプログラムを提供するため万全の準備をすると表明した。組織委の関係者は聯合ニュースの取材に対し、「スカウトらは各自治体の収容可能な施設に行く予定」とし「自治体ごとに伝統文化体験など文化・観光プログラムを用意する」と話した。政府はソウル市内の大学寮や企業の研修施設、公共の体育館などに宿泊先を変更する案を検討しているという。 ソウル市は政府の対策づくりに積極的に呼応し、総力を挙げて支援することを決めた。サムスン電子、SKグループ、現代自動車などの企業も工場見学などを提供することで、支援を続ける。 11日に開催される予定だったK―POP公演もソウルワールドカップ競技場など規模の大きいスタジアムなどで開く案を検討している。◇早期撤収はキャンプ地の排水不良 台風に耐えられないと判断 セマングムからの早期撤収が決まったのは、同地が干潟を埋め立てて造成されたキャンプ地だったことから水はけが悪いためという。 スカウト機構は台風がもたらす雨と風の被害を総合的に考慮し、スカウトらの安全に問題が生じる可能性があると判断した。 本大会を控えて昨年開かれる予定だった「プレジャンボリー」も新型コロナウイルス感染症の問題だけでなく、排水への懸念などがあり開催されなかった。◇大会は事実上失敗 与野党が責任巡り攻防か スカウトらの撤収が決定し、セマングムでの大会は事実上、失敗に終わった。今後は大会が失敗した原因と責任の所在がどこにあるのかが焦点になるとみられる。 主催側である組織委が1000億ウォン(約108億円)台の予算のほとんどをキャンプ地の造成ではなく、組織委の運営に使っていたことが明らかになり、批判の矛先は組織委に向けられている。政府、全羅北道、組織委などによると、今回の大会に投じられた総予算は1171億ウォンで、このうち870億ウォンが組織委の運営費や事業費として使われたことが分かった。一方、上下水道や下水処理施設、駐車場などインフラの造成には205億ウォンが使用された。大集会場と強制排水施設の造成にはそれぞれ30億ウォンが投じられた。スカウトらの不評を買ったトイレやシャワー施設、給水台などの施設の設置には予算の11%程度の130億ウォンが使われた。 女性家族部や全羅北道などの公務員が視察を名目に数十回にわたり、海外出張に行っていたことも問題視されている。