アイドルやイケメン俳優にはまる30~40代の主婦が急増している。夫や子どもらの世話に多忙な毎日を送りながらインターネットサイトでドラマギャラリーを訪問し、食料品の値上がりにため息をつきながら、芸能人名義で行われる寄付には快く財布のひもを緩める。彼女たちに何が起きているのか。

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■ユチョンやヒョンビンらに夢中
 2000年代初めに「冬のソナタ」で主役を演じたペ・ヨンジュンに対する日本の中年女性の熱狂ぶりに、韓国人は「理解し難い」という反応を示した。芸能人のファンクラブに加入し、彼らを追っかける行為は10~20代にだけ許されるものだと思われていたためだ。

 しかし、ここ数年の間、韓国の主婦たちの追っかけぶりは日本人にも引けを取らない。インターネット上では、30~40代女性らによる若い男性芸能人のファンクラブが目につく。イ・ミンホ、チャン・グンソク、イ・スンギ、「BEAST(ビースト)」、「SHINee(シャイニー)」、「2PM」らが憧れの対象だ。

 「JYJ」のメンバー、ユチョンのファンクラブの中には30代以上の女性だけが加入できる専用サイトがあり、開設4か月で5000人余りの会員が加入した。ヒョンビンやイ・ジュンギらは中年女性専用サイトはないものの、ファンクラブサイトの中に別途に設けられた「お姉さんコーナー」で30~40代の女性が活発に活動している。

 ファンクラブやドラマギャラリーサイトには、「一度も芸能人が好きだったことがなかったのに、なぜ?はまってしまいました」といった告白があふれる。

■ファンクラブ活動は活力源
 周囲からは幼いなどと言われるが、30~40代主婦の芸能人追っかけはおおむね生活の活力源として作用する。

 アイドルグループ、東方神起のファンであるチョン・ウンオクさん(45)は、「同年代に多い、更年期のうつに一度も悩まされたことがない。ファンクラブ活動を通じ、ストレスを解消してるようだ」と話す。

 映画評論家で大邱サイバー大学の心理学科教授のシム・ヨンソブさんも、結婚生活でストレスを受けたとき、活発なファンクラブ活動が気持ちを高揚させ、爽快感をもたらし、肯定的な役割を果たせると説明した。 

 主婦たちのこうした追っかけ現象は、何よりマンネリ化した現実の打開、青春に対する恋しさから始まっているとみられる。若い男性芸能人を「異性」というより「青春時代」と見ているのだ。

 より根本的には現在の30~40代の多くが大衆文化が爆発的に成長した1990年代に青春時代を送り、追っかけ文化になじんでいることが重要な要因と分析される。

 ドラマ評論家で忠南大学教授のユン・ソクジンさんは「現在の30~40代は10~20代の時に追っかけ文化を主導してきた世代で、好意を率直に表現することに慣れている」と指摘した。