1888年、英国で発生した連続殺人事件、“切裂きジャック”を題材に既存のミュージカルには見られなかった新しいスタイルで韓国ミュージカルの地平を広げる起点とったミュージカル「Jack the Ripper」。2009年の初演以来、4年間絶えず再演を繰り返し、昨年の日本公演で日本の観客から爆発的な好評を得たことで、グローバルな作品としての地位を築き上げた本作に「2PM」のJun. Kが主人公ダニエル役に抜てき。
殺人とその裏の残酷な秘密を通じて人間の死と愛の悲劇を描いた本作で舞台に暗く、重い雰囲気が漂う中、イ・ヒジョン扮する記者モンローのコミカルな演技が光る。アンダーソン役のキム・ジュンヒョンとのテンポの良い掛け合いも見所の一つといえよう。また、闇に満ちた愛を表現したダニエルとグロリア、アンダーソンとポリー、この熱く、切ない二つの愛のシーンは観ている者の心を掴んで離さない。大がかりな舞台とスピーディーに回転する舞台装置、そしてアンサンブルによるシーンに合った小物を駆使したダンスパフォーマンスなど、圧巻の舞台演出と緻密なストーリー展開、そして観客の心を揺さぶる雄壮なミュージカルナンバーが「Jack the Ripper」の世界へと誘う。
実力派が脇を固める中、全身全霊でダニエルを演じたきったJun. Kから「今回はミュージカル『Jack the Ripper』のダニエル役を演じることになりました。日本で、ミュージカル俳優として皆さんに舞台を披露するのは今回が2回目となりますが、良い演技をお見せできるように頑張りたいと思います。愛を追う者ダニエルを楽しみにしていて下さい」とコメントが届いた。
現在、横浜市で開催中の音楽フェスティバル「横浜音祭り2013~音楽の海へ~」(9月20日~11月30日)に参加中のミュージカル「Jack the Ripper」。黒岩祐治(くろいわ ゆうじ)神奈川県知事と李壽尊(イ・スジョン)駐横浜大韓民国総領事が同日の初日舞台を観劇。公演終演後、オム・ギジュンらメインキャストが迎える中、黒岩神奈川県知事、李総領事が舞台に登壇。
記者モンロー役のイ・ヒジョンが出演者を代表して、「熱いご声援をありがとうございました。美しい港町、横浜で『Jack the Ripper』の公演をさせて頂き、俳優の一人として、大変うれしく思っています。今日開幕しまして、これから35回の公演があります。これからも韓国の情熱を皆さんにお伝えできるように、最善を尽くすことを約束いたします」とあいさつ。
李総領事は「横浜で韓国の『Jack the Ripper』が公演できたことを皆さんに感謝したいと思います」と感謝の言葉を述べ、「日本と韓国の交流の歴史は二千年を超えています。韓国のミュージカルが横浜で日本の方々に愛されることは日韓交流に於いても大事な役割だと思います。このような歴史的な役割に最善を尽くしてもらい、もっともっと日本の方々に愛されるように願っています」とあいさつした。
続いて、キャストからは観劇のお礼として初日公演のキャスト全員のサインが入ったポスターを贈呈、最後に全員で記念撮影を行い、初日公演の成功を祝った。ミュージカル「Jack the Ripper」は11月4日(月・祝)から11月30日(土)までKAAT神奈川芸術劇場で上演される。