ドラマ「根の深い木」
ドラマ「根の深い木」
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)第1書記が、叔父で実質ナンバー2だったチャン・ソンテク(張成沢)氏を死刑とした経緯に関心が集まっている。

 キム・ジョンウン氏に夫人のリ・ソルジュ(李雪主)氏を紹介した張本人がチャン・ソンテク氏である。そして、ポルノ事件や不倫のうわさまでもが出ている(「李雪主原因説」)。

 しかし、それよりは、チャン氏がキム・ジョンナム(金正男)氏に資金の支援をしたことがもっと現実的な理由との見方もある。キム・ジョンナム氏は、第1書記キム・ジョンウン氏の腹違いの兄であり、先代の第1人者の故キム・ジョンイル(金正日)氏の長男である。暫定的な権力競争者であるキム・ジョンナム氏に未だに資金を支援していたならば、「反逆」と言われても仕方ないこと。いわゆる、「金正男原因説」である。

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 ポルノ事件とは、北朝鮮の人民保安部が、ポルノを制作販売していたとされる銀河水管弦楽団員や旺載山芸術団員の会話を盗聴し、「リ・ソルジュ氏も昔は、自分たちと同じように遊んでいた」という会話を傍受したこと。関連者全員はその後、公開処刑されたとみられている。リ・ソルジュ氏は現在、50日間以上も公式の場に姿を見せていないことから、一部では李氏はすでに粛清されたとみている。

 粛清や死刑の正確な理由は、まだ明らかではないが、半島の歴史で前例を探すことはできる。600年前、高麗王朝を倒し、朝鮮王朝を創設した太祖イ・ソンゲ(李成桂)の息子たちの例がある。兄弟の間の激しい権力闘争の上、長男ではない息子のイ・バンウォンが王位を継ぎ「太宗」となった事件だ。それで朝鮮王朝は安定し、当事者の太宗イ・バンウォンの息子があの有名な「世宗大王」である。

 お父さんである「太宗」の独裁政治の後、後継者の「世宗大王」は、ハングルの発明を含め、数々の業績を出していた。今も、韓国のお金に載っている偉人であり、ソウルの中心地には「世宗大王」の銅像が立っている。この時代は、様々な観点から、ドラマや映画にもなっている。ドラマ「根の深い木」もその時代をモチーフにしたものの一つ。「世宗大王」時代の朝鮮文化の繁栄は、そのお父さんの「悪役」から安定した政治が得られた結果ともいえよう。

 体制としては、「金氏王朝」とも言われている今の北朝鮮。早期に権力闘争が終わることこそが、日本、韓国、中国などの東アジアの安定と文化の繁栄につながるはずだが、まだ暫くは時間がかかりそうだ。



根の深い木 予告編
根の深い木 予告編




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