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■動きだした人間関係
第8話を終えて『テバク』の対決構図が明確になった。
まずは、ヨニングン(後の英祖〔ヨンジョ〕)と李麟佐(イ・インジャ)の対立だ。
李麟佐のワイロ攻勢で取り込まれた朝鮮王朝の高官は、ヨニングンの母親の出自が低いことを嘲笑する。王子であるヨニングンにとっては最大の侮辱である。その悔しさを胸に、ヨニングンは李麟佐への対抗心を燃やしていく。
李麟佐に扮するのはベテランの本格俳優チョン・グァンリョル。一方のヨニングンは、子役から大人の俳優に脱皮したばかりのヨ・ジングが演じている。かなりの年齢差があるが、ヨ・ジングは臆することなく怒りの演技を堂々と見せている。2人の対決が物語を大きく動かしていくのは間違いない。
続いて、タムソと粛宗(スクチョン)の関係が微妙になってきた。
タムソは父の仇として粛宗を狙っている。一方の粛宗もタムソが誰の娘かをうすうす悟り、複雑な感情を持ち始めた。王とはいえクセ者で、一筋縄ではいかない粛宗。彼がタムソをどのように処遇しようとするのか。このあたりの心理描写が面白くなる。
■物語の伏線が生きてくる
そして、真打ちのテギル。
彼は最強の師匠キム・チェゴンのもとに弟子入りしたが、キム・チェゴンの指名手配書が町中に張られているのを発見し、以後は師匠の素性が気になって仕方がなかった。
「果たして、どんな謎があるのか」テギルの疑心がふくらんでいく。その末に、キム・チェゴンが元は役人で、今は復讐の鬼になっていることを知る。
復讐といえば、テギルだった負けてはいない。彼は、父を殺した勢力に対して復讐を誓っている。それを実現するためにも、もっと強く、もっと戦術をわきまえた男にならなければならない。 それがわかっているテギルだからこそ、血のにじむような努力で修業を続けているのである。
ヨニングンと李麟佐、粛宗とタムソ、テギルとキム・チェゴン。3つの人間関係が中盤に入って複雑にからんでいく。
特に、物語前半でところどころに置かれた伏線が中盤に入って生きてくる。
テギルが王子でありながら捨てられてしまったワケ、タムソの父が死んだワケ、李麟佐が起こそうとしている反乱のワケ…。
それらが、中盤以降にどんどん明かされていく。ますます『テバク』から目が離さなくなるだろう。
■トップを追撃する『テバク』
『テバク』は今、他のテレビ局のドラマと激しく視聴率を争っている。
とにかく、韓国の地上波のテレビ局(KBS、MBC、SBS)はライバル対決が熾烈だ。その中でも、SBSの『テバク』、KBSの『町の弁護士チョ・ドゥルホ』、MBCの『モンスター』はすべて3月28日に同時スタートして、同じ条件で視聴率を競っている。
良好なスタートを切ったのが『テバク』で、当初は3作品の中で視聴率がトップだったのだが、その後に視聴率が下落して、トップを『町の弁護士チョ・ドゥルホ』に奪われてしまった。
最近の視聴率を見ると、4月18日の第7話では、トップが『町の弁護士チョ・ドゥルホ』で12.6%、2位が『テバク』で9.1%、3位が『モンスター』で8.5%という結果だった。
それが、4月19日放送の第8話ではどうなったか。『町の弁護士チョ・ドゥルホ』は12.1%、『テバク』は8.7%、『モンスター』は8.1%だった。3作品ともこぞって、第8話が第7話より視聴率を少し下げてしまった。まさに、痛み分けという状況になったのだ。
4月25日放送の第9話では、視聴率がどのようになるだろうか。
『テバク』としては、1位の『町の弁護士チョ・ドゥルホ』を追い抜く足掛かりをつけたいところ。8.7%からどれだけ上積みできるか。中盤に突入する第9話の視聴率が本当に興味深い。
文=「ロコレ」編集部
コラム提供:ロコレ
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