ジュノ(2PM)の音楽的才能は言うまでもないことであり、あの声は持って生まれた天性を感じる。それでいて、演技の世界でもジュノは勘の良さをいかんなく発揮している。(写真提供:OSEN)
ジュノ(2PM)の音楽的才能は言うまでもないことであり、あの声は持って生まれた天性を感じる。それでいて、演技の世界でもジュノは勘の良さをいかんなく発揮している。(写真提供:OSEN)
■さらに発展していく可能性

ジュノ(2PM) の最新ニュースまとめ

 演技とは、日常生活の中で私たちが見せる感情の動きをそのまま自然体で演じるものである。つまり、自分の感性を生かせる表現手段なのだ。それだけに、経験を積めば、確実に演技力は上達する。

 たとえば、つたない演技しかできなかった俳優も5年経てば、周囲を納得させられる演技力を備えるものだ。

 しかし、勘が良くない人は、一人前になれても、それ以上にはなれない。最後のプラスアルファを持っているかどうかで、俳優の真価が問われる。

 以上が私の俳優論なのだが、最近は規格外の俳優が次々に出てくる。多くは、K-POP出身の若者たちである。

 かつては、韓国でもK-POPのアイドルをいきなり主役に起用して、演技不足からバッシングされることがあった。

 しかし、今はそんなことがない。K-POP出身の若者は無難に演技をこなしていく。長い練習生期間に歌やダンスだけでなく、演技の訓練もしている賜物ではないだろうか。K-POPには、実に器用で才能豊かな若者が多い。

 その中で特に注目していたのが、ジュノ(2PM)である。彼の音楽的才能は言うまでもないことであり、あの声は持って生まれた天性を感じる。それでいて、演技の世界でもジュノは勘の良さをいかんなく発揮している。一人前のレベルで止まるのではなく、そこからさらに発展していく可能性を感じさせてくれる。


■「ニックネームに合うように!」

 ジュノでよく覚えているのは、「会話のセンスがいいね」ということだった。

 あれは、日本デビューを果たした「2PM」が東京・両国国技館でライブを開催したときのことだった。それに先立って、2010年12月6日に「2PM」は、ホテルニューオータニで日本デビューを記念した記者会見を行なった。

「日本で仕事以外で何がしたいか?」と問われて、ジュノは「ラーメンが食べたいです」と答えていたが、これは想定内の韓国人らしい答えであった。真骨頂はその次だ。「それぞれのメンバーにとって“野獣アイドル”とは?」という質問があり、ジュノのこう答えていた。

「韓国でデビューした当初は、“野獣アイドル”というニックネームではありませんでした。活動を続けているうちにそう呼ばれるようになりました。日本では、最初から“野獣アイドル”と言われていますので、ニックネームに合うような格好いいパフォーマンスをみなさんにお見せしたいと思っています」

 質問の意図を十分にくんだ的確な答えだった。勘がいいから、こういう語りができるのだろう。

 他にも、「日本に対してどのようなイメージを持っていますか」と問われると、ジュノはこう返答した。

「自分がまだ幼い頃、『ごくせん』というドラマをよく見ていました。そこに出演していた松本潤さんが好きです」

 早くから日本に興味を持っていたのだろう。すでに彼は日本で成功する要素をたっぷり持っていた。


■身のこなしが完ぺき

 イ・ビョンホンといえば、韓国を代表する俳優であり、的確な観察力を備えた賢人である。私は彼の記者会見での発言を聞くたびに、その中身の濃さに感心していた。

 そのイ・ビョンホンは、2015年11月30日に東京で開催された映画『メモリーズ
 追憶の剣』のジャパンプレミアに登場した。

 この場でイ・ビョンホンは相変わらず含蓄のある発言を繰り返していたが、「『2PM』のジュノさんの印象はいかがでしたか」と聞かれてこう答えた。

「ジュノさんはとても誠実な人だと思いました。彼は歌手として日本と韓国を1週間に1回くらい行ったり来たりするスケジュールで、とても忙しく活動しているのですが、現場ではつらそうな姿をまったく見せず、誠実に取り組んでいました。その姿を見て、とても責任感が強い人だと思いました」

 ここまで大先輩に言われたら、ジュノも恐縮するしかないだろう。

 彼は『メモリーズ 追憶の剣』でイ・ビョンホンと共演し、目がさめるような剣術シーンを披露している。よほど訓練したのだろう。映像の中のジュノは、身のこなしが完ぺきだった。

 アクションシーンだけではない。演技の一つ一つに勘の良さが光っている。

 今や「2PM」としての活動だけでなく映画やドラマに次々に出演しているジュノ。感性がどこまで突き抜けていくかは、本人すらわからないかもしれない。


文=康 熙奉〔カン ヒボン〕
(ロコレ提供)

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