ユチョン の最新ニュースまとめ
■日韓の報道側の違い
芸能界のゴシップ記事に関しては、日本と韓国はかなり事情が違う。
日本の場合は、「週刊文春」をはじめとする雑誌ジャーナリズムが健在で、芸能人の不倫などが次々に暴露されている。
芸能人の側も戦々恐々としており、慎重な態度を取らざるをえない。また、所属事務所の管理も徹底されている。それでも、暴露記事は後を絶たない。それほど、ゴシップを扱う媒体側の調査報道が強力なのである。
一方の韓国。
そもそも、雑誌ジャーナリズム自体が韓国では成り立っていない。わかりやすくいえば、韓国には「週刊文春」に似たようなものがないのである。結局、芸能ネタを扱う媒体というと、スポーツ新聞が中心である。
これらのスポーツ新聞は親会社が韓国の大手新聞社であり、体面を考えて際どい記事までは報道しない。そうした慣例から、今までの韓国芸能界は「戦々恐々」とする必要がそれほどなかった。
■芸能ゴシップが生まれる下地
最近の韓国では、ネット・メディアが急速に増えていて、関心が高い芸能ネタを扱うことも多い。
特に、「俳優・アイドルの熱愛」、「乱れた異性関係」、「薬物疑惑」などを報道するケースが多いが、偏向的な論調や間違った報道が随所に見られる。多くが「イエロー・ジャーナリズム」と称されるレベルであり、信憑性に問題があると言わざるをえないのだ。
つまり、動かぬ証拠を突きつけて芸能人を窮地に追い込むような調査報道がほとんどないのが、韓国メディアの現状なのである。
それだけ、芸能人の側が、警戒心が希薄になる。加えて、所属タレントに対する芸能事務所の管理が甘い、という構造的な問題がある。
なぜ、芸能事務所は管理が甘いのか。
それは、担当するマネージャーにまかせっきりで、事務所として徹底した管理態勢を作れていないからである。
こうなると、なにごともマネージャー次第ということになる。腕利きのマネージャーが付いているタレントと、隙のあるマネージャーが付いているタレントとでは、私生活の管理という面で大きな違いが出てしまう。
そこに、芸能ゴシップが生まれる下地があるのだ。
■芸能人としての道義的な責任
もし、今回のユチョン問題のようなことが日本で起きたら、雑誌ジャーナリズムはフル稼働していたことだろう。
告訴した女性たちの手記やインタビュー記事が生々しく雑誌を飾ったはずだし、ユチョンが出入りしていた酒場の徹底調査が行なわれていたに違いない。しかし、現在のところ、韓国のメディアは警察側の発表を流しているだけで、独自の調査報道を進めている様子はあまり見られない。
ということは、今後の進展も警察発表に頼らざるをえない、ということだ。
ここで問題なのは、警察側は自分たちに有利な形でしか情報を流さないということだ。必然的に、問題の全容は明らかにされないし、捜査の進展を発表するにしても時間がかかってしまう。こうなると、一般の人たちのイライラが募るばかりだ。
ユチョンの所属事務所は、告訴した人たちを名誉棄損で訴えると警告しているが、今すみやかにすべきことは、「兵役中のユチョンが真夜中の行動で世間を騒がせたことに対する真摯な謝罪」と「すべてを知る唯一の人物であるユチョンが、自らの言葉で真実を明らかにすること」である。
警察の捜査を待つことと、芸能人としての道義的な責任は別である。私(康熙奉〔カン
・ヒボン〕)は、一刻も早く所属事務所とユチョンが前提条件を付けずに心からの謝罪を表明することが重要だと考える。
■今週の動きに注目!
今回のユチョン問題は、芸能界の一つの騒動という枠におさまらない。兵役中の社会服務要員の管理態勢という問題に広がりを見せている。
ユチョンは兵役中で、軍務の代替制度を活用して社会服務要員としてソウル市の江南(カンナム)区役所に勤務していた。その彼が、真夜中に店で飲酒していた事実が明らかになった。
同じように兵役中の人の中には、真夜中に軍事境界線で過酷な警戒勤務をしている若者もいる。「不公平ではないか」という議論が噴出するのは、ある意味では当然のことであろう。
この騒動がきっかけになり、社会服務要員の管理態勢がもっと厳しくなるかもしれない。つまり、兵役の制度を変更させる可能性があるほど、今回のユチョン問題は韓国社会に広く波及しているのである。
その当事者であるユチョンが、このまま黙っているわけにはいかない。公の場に出てきて、謝罪の気持ちを表し、真実を述べる必要があるだろう。
韓国芸能界の体質として、所属事務所はタレントの管理が甘く、不祥事の際にも説明責任を果たさないことが多かった。
果たして、ユチョン本人と所属事務所の今後の対応はどうなのか。
今週の動きが注目される。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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