■韓流人気の凄まじさを象徴
2003年以降に韓流ブームが起きたとき、コリアプラザはまぎれもなく新大久保の名所の一つだった。
当時の店は、同じ職安通りでも今より山手線のガードのほうに近かった。
光景として覚えているのは、冬ソナ人気が最高潮のときは、コリアプラザの2階の雑誌売り場が人でごった返していたこと。人とぶつからないで店内を歩くことが難しいほど繁盛していた。
それで、現在の場所に移して店を拡張したのだろう。コリアプラザの隆盛は、そのまま韓流人気の凄まじさを象徴していた。
ただし、韓流ブームが相変わらず続いていても、少しずつコリアプラザから客が減っていった。理由は、オフィシャルのグッズ販売にこだわったことではないのか。
当時、私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)は、『愛してる韓国ドラマ』という雑誌の編集長をしていて、読者プレゼントの景品用グッズをよくコリアプラザに買いに行った。
韓流スターに関連した様々なグッズ……クリアファイル、タオル、フォトカード、ノートセット、カップなどがすべて公式のもので安心して購入することができた。
■韓国の現況と文化を感じられる場所
オフィシャルのグッズだけに、価格が安くないのは確かだった。他の店では、もっと安い値段のものを売っている。それが、客足が遠のいた原因かもしれない。
もちろん、新大久保を訪れる韓流ファンの数が相対的に減っているという根本理由もあるだろう。2012年8月に当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が竹島(韓国名は独島〔トクト〕)に上陸して以降、韓流ブームが減速していったのは明らかで、新大久保に集まる人の数は目に見えて減っていった。それにともなって、経営環境が厳しくなったのは事実だろう。
それでも、私は定期的にコリアプラザに通った。1階で韓国の新聞を買ってからCDやDVDを見て、2階では韓国で評判の書籍を見てまわった。
それ以外に、韓国書籍を本国から取り寄せてもらうことも多かった。
そういう意味では、コリアプラザは私にとって韓国の現況と文化を感じられる場所だった。
ただし、行くたびに客が少ないことを危惧していた。
「これでビジネスになるのか」
そう心配することが多かった。
■これからも韓流は続いていく
数か月前にコリアプラザに連絡すると、韓国の新聞を扱っていないと言われた。
「コリアプラザでもう韓国の新聞を買うことができないのか」
かなりガッカリした。
その後に新大久保に行ったとき、コリアプラザが7月いっぱいで閉店することを知った。率直な感想は「ついにその日が来たか」。あの客数を見ていると、閉店はある程度予想できることだった。それだけに、特別な驚きはない。
考えてみれば、冬ソナ人気で新大久保に人が集まるようになったとき、職安通りが一番賑わっていた。しかし、その後はJR新大久保駅に近い大久保通りのほうが賑わうようになった。そうした人の流れも今回の閉店に影響したのかもしれない。
これから韓流はどこへ向かうのか。
相変わらず面白い韓国ドラマは多いし、魅力的なK-POPスターも次々に出ている。韓流が魅力を失ったわけではない。
コリアプラザの閉店は残念だが、それはビジネス上の問題によることだ。韓流の未来を悲観的に考えることはないと思う。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
(ロコレ提供)
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