<Wコラム>すぐ謝る日本人・謝らない韓国人、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:news1)
<Wコラム>すぐ謝る日本人・謝らない韓国人、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:news1)
●白黒つけたがる
 一般的に、日本語と比較して韓国語の表現はきつく過激で断定的で、すぐ白黒つけたがります。たとえば「タジダ」(問い詰める)。

 それに対して、日本語はやわらかく、表現が曖昧だと言え、相手に配慮し傷つけないようにする言葉だとも言えます。

 「恐れ入ります」、「すみません」、「失礼ですが」、「申し訳ございません」、「ごめんなさい」などのように、言葉の意味よりも相手とのクッション的な表現が多く見られます。その端的に違う例が中国にあったので紹介します。

 こんな経験をしました。中国駐在時、北京から長春に出張したときのことです。機内で乗務員からコーヒーをこぼされたのですが、「ごめんなさい」(対不起トイプチィ)という言葉は一切なしで、ただこぼした所をチョイチョイとふいて行ってしまいました。

 日本や韓国でしたら、嫌というほど謝られる場面ですが、一切謝罪はありませんでした。

 こんなことは機内だけでなく、中国ではよくあることですが、謝られ慣れている環境にあった人間にとっては違和感がありました。

 ところが、ホテルについて時間が余っていたのでテレビをつけたところ、普段聞きなれない謝罪の言葉「トイプチィ」の連発でした。

 まさに「何これ?」状態でした。現実ではありえないことが起こっているのですから!

 よ~く目を凝らしてみると、テレビに日本のドラマが放映されていました。市原悦子さんと宮沢りえさんが出演している結婚式場を舞台にしたドラマだったと思いますが、先に言った「失礼します」、「恐れ入ります」も「あら、ごめん」も全部中国語の謝罪の言葉「トイプチィ」として訳されていました。

 現実の中国では、自分が悪くても責任を取らされたくないためか自尊心のためなのか、なかなか謝罪の「トイプチィ」を言わないのに、テレビでは謝罪のオンパレードでした。

 コミュニケーションのクッションとして「ごめんなさい」と言ったのに、相手は謝罪として受け止め、「あのとき謝っておきながら反省が足らん!」、「日本人は信用できない」となるのですから、文化に由来する言葉の受け止め方の違いは怖いです。


文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)

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