「JYJ」ジェジュン
「JYJ」ジェジュン
2016年12月30日に韓国で1年9か月間の軍服務を終えたジェジュン(JYJ)が、日本での再始動を告げるライブツアー「2017 KIM JAE JOONG ASIA TOUR in JAPAN ‘The REBIRTH of J’」の記念すべき初日公演を2月7日(火)神奈川県・横浜アリーナにて開催した。

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 暗闇の中で眠りについていたジェジュンが、彼を待つ人の想いや名前を呼ぶ声に目覚め、そのエネルギーが新たな銀河を誕生させるという“The REBIRTH of J”と題された今回のツアーを象徴するかのようなイメージ映像でライブの幕が上がる。

 バンドメンバーが迫力のサウンドを奏でる中、ゆっくりとリフトアップしてくるジェジュンのシルエットがステージ上に浮かびあがると、会場は歓喜の大歓声に包まれた。1曲目を飾るのは「One Kiss」の日本語バージョン。広い横浜アリーナの全ての客席を包み込み抱きしめるような壮大なバラードで、力強くも繊細な歌声の健在ぶりを見せつけた。

 会場を見渡しこの日最初の笑顔を見せると、「皆さんこんにちは!元気でしたか?」とファンへあいさつするジェジュン。「何年ぶりだっけ?3年?2年?ちょうど2年か。なんか変な感じですね」と照れ隠しのようにはにかむ。2年間日本語を使う機会がほとんどなく単語を忘れてしまったと話すのが嘘のように流暢な言葉で、「皆さんにはこの2年間で変化ありましたか?ステージから見ると、僕にとっては何も変わらないですね」と久しぶりの再会を喜び合った。

 その場で次のステージのための衣装に着替えると、「ばんばんジャンプして、思いっきり手を振って楽しんでください!」と2曲目の「Luvholic」へ。ステージの左右の端まで動き回り客席を煽りながら、そのままセンターステージへと移動して「Kiss B」とアップテンポなナンバーをたたみかける。

 「僕のライブはね、台本がないんですよ。会場の雰囲気に乗って、感じたままに話してるんです」と自身が言うだけに、ジェジュンはMCで本当によくしゃべる!友達から教えてもらったという日本のギャグを披露したり、ファンからかかる声に応えたりと、とても気さくなファニーガイな一面も持っている。「日本語の勉強をしていた時に見た日本のドラマでこういうセリフがありました。『人と人とは心のキャッチボールが大事』。キャッチボールしよ」と客席とのコミュニケーションを積極的に楽しむアーティストなのだ。

 「ちょっとかっこつけた曲です」と始めた「Rotten Love」ではまた雰囲気を変えて切なげなシャウトを響かせる。本人曰く「王子様みたいな」ゴールドのロングジャケットに衣装をチェンジして歌いあげるのは「ソラプ(引き出し)」と「Love You To Death」というバラード。甘いビジュアルと美しい歌声で魅せるパフォーマンスもジェジュンの十八番である。

 「準備の時間がもっとあったら、僕の曲を日本語バージョンにしてもっと歌いたかった。それがちょっと残念ですね」と語るジェジュン。ファンからの「アルバム出して!」という声に応える「アルバム出したいよ~日本でもっと活動できるといいですね。頑張ってますよ!」という言葉からも、日本での活動への意欲や、日本のファンを大切に思う気持ちが伝わってくる。

 バックステージからのMCコーナーでは、客席の様子をモニタリング。個性的なスタイルでジェジュンへの愛をアピールするファンや、親子連れ、カップルなど何組もピックアップしては声をかけ、モニター越しでのやりとりを楽しんだ。客席を埋め尽くす幅広い世代のファンの姿を見たジェジュンは「みんな健康で長生きしてください。現代の人間はね、120歳まで生きるんだって!僕たちも125歳までは生きましょう!」と熱いメッセージを送った。

 吹き抜ける風がシャツを柔らかく揺らし、まるで空中を漂っているかのような演出でみせる「All That Glitters」、アコースティックギターの音色がノスタルジックな「Breathing」は2016年に韓国でリリースしたフルアルバム「NO.X」からの2曲。
本物の炎が舞い上がり、バンドの演奏も熱量を増していく中、「みんな、盛り上がっていこう!」とライブをリードするジェジュンの姿はまさにロックシンガー。「Welcome To My Wild World」で力強く声を響かせると、立て続けに「Good Luck」で会場にハンドクラップの嵐を巻き起こす。

 「Good Morning Night」はなんと日本語バージョン!これには会場のファンも大喜びで、大きな掛け声をジェジュンの歌声に重ねながらこの日一番の一体感を作り出した。「歌詞を日本語にして言葉がわかるともっと楽しいですね!」とジェジュンもごきげんで「もう1回やってみようか?」とバンドと一緒にノリノリになって何度も大サビを繰り返して歌い、その度に客席からの声も大きくなっていった。

 この熱狂の中、本編の最後は「9+1#」、「Mine」で最高に熱く、ロックでセクシーに締めくくった。

 さらに日本ツアー初日であるこの日、ファンにとってはサプライズとなるビッグニュースが飛び込んできた。
横浜、大阪、名古屋での計7公演に加え、さいたまスーパーアリーナでのアンコールコンサートが決定したことがジェジュン自身の口から発表されたのだ。「2年ぶりじゃないですか。会いたくて会えなかった人もたくさんいるから、横浜と大阪と名古屋の7回じゃ足りない!本当にうれしいです!」とファンと喜びを分かち合った。

 軍隊を出て最初の仕事は何にしようか考えた時に、「テレビで姿を見せるよりも、直接会いに行った方がお互いうれしいと思って」と今回のツアーを準備したというジェジュン。
「今日だけで僕の心の中の色んな話を伝えるには時間が短い!明日も明後日も、大阪でも名古屋でもさいたまでも、もっともっといっぱい話しましょう」と、ファンと交わす新しい約束。この瞬間をファンは信じて彼を待ち続けたのだろう。そしてその想いに守られて、ジェジュンはステージを離れていた時間をも糧として一人の人間キム・ジェジュンを磨き続けたのだろう。

 彼は力強くたくましく、男らしく頼もしくこの場所へ帰ってきた。眩しくも親しみのある笑顔と共に。



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