紀元前3世紀、中国の楚漢戦争を舞台に繰り広げられる項羽と劉邦の男の戦いと、虞姫の別れ、怨み、愛を惜しみなく描いた本作品の東京公演がいよいよ3月26日(日)から東京・赤坂ACTシアターで幕を開けた。
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主役の虞姫役を演じるのは2012年に宝塚歌劇団宙組のトップに就任し、2015年2月に宝塚歌劇団を退団後初主演となる凰稀かなめ。そして脇を固める劉邦役にユナク(超新星)、項羽役に全員が音大卒の180cm以上の男性5人組ヴォーカルグループ「LE VELVETS」 の黒川拓哉と2000年に「新人発掘オーディション~21世紀の石原裕次郎を探せ!~」で応募総数5万2005 名の中から最終選考の10人に残った池田努がダブルキャスティングされた。
開幕前日となる3月25日(土)、プレス向けのプレビュー公演が行われ、開演前に主演の凰稀かなめ、ユナクが囲み会見に登場。初日を迎える意気込みや見どころなどを語った。
花模様が織り込まれた光沢ある水色の衣装で登場した虞姫を演じる凰稀かなめは、「皆さま、お忙しい中ありがとうございました。いよいよ明日から始まります。スタッフの方々、出演者一同、精一杯がんばりたいと思いますので、温かいご声援よろしくお願い致します」とあいさつ。
<B>―初日を迎える心境はいかがですか?稽古中に新たな発見はありましたか?</b>
突きつめてやっていたので、発見は山ほどありました。演出家、出演者とぶつかりあいながら稽古してきたので、その成果が出るのではないかと思います。シンプルな舞台なので皆の魅力が発揮されている舞台になっていると思うので、楽しんでいただけたらと思います。
<B>―虞姫という役とご自分との共通点はありますか?</b>
共通点は、そうですね。温かく、大きく、見守ることじゃないかなと思います。
<B>―項羽役は黒川拓哉さんと池田努さんのダブルキャストですが、それぞれの魅力は?</b>
お二人ともワイルドなんですけど、池田さんはワイルドさの中にも温かさがある熱い男。だけどとても最後に向かっていくにつれて弱さが出てくる、それでも必死にやっていく。とても人間らしい項羽になっていると思います。
黒川さんは身長も大きいですし、ワイルドはワイルドなんですけど、黒川さんの純粋な優しいところがとても今回のお芝居の中に出てきていて、一生懸命なところとか、そういう部分がとても項羽っぽいなと。逆に黒川さんの方が最初は可愛い感じなんですけど、後半に向けてどんどん男らしく成長していく項羽になっていると思います。
<B>―ユナクさん演じる劉邦についての印象はどうですか?</b>
ユナクさんですか、優しいです。いろいろとやってくださいます。今回恋人同士の役で結婚して夫婦になるんですけど、いろんなお話をして普段からそういう風に見えるように接したりしていて。本当にレディーファーストなんです(笑)。それが劉邦様にすごく合っているというか、劉邦様そのものという感じです。
<B>―宝塚退団後初主演ということですが、意気込みは?</b>
宝塚でスターという立場にいさせていただいて、毎公演そうだったんですけど、自分がトップだからといってどうのうこうのというのはあまりなくて。作品の中でどういう風にこの組をとか、自分を、相手をということばかりを考えているので、“座長”という言葉に気負いを感じないように自分で意識しつつも、皆さんとコミュニケーション取りながら舞台上で一緒に戦っていきたいなと思います。
<B>―手応えはどうですか?</b>
手応えは十分あります。でもお客様が入ったらまた空気も変わってくると思いますし、お客様と一緒にこの先、また新たに作っていきたいなと。今は自分たちの中でやってますけど、絶対に空気って変わるものなので、一緒に楽しんで一緒にその時代を過ごしていけたらいいなと思っています。
続いて赤を基調にした衣装で “劉邦”演じるユナクが凛々しい姿で登場。
<B>―初日を迎える心境は?</b>
初めて時代劇を演じるのでプレッシャーもあるんですけど、皆とすごく仲良く1か月半くらい練習してきたので、やっと見せられて良かったなと思いました。今の心境はちょっと緊張しています。
<B>―劉邦を演じるにあたって心がけたことは?</b>
今回は項羽と劉邦という話よりは、テーマは“虞美人”。“虞”という女性がどうやって生きてきたかを演出家さんが想像して創られたので、台本をもらって僕も劉邦がどういう恋愛をしてきたのか、自分なりにいろいろ研究しました。項羽と差があった方がいいかなというのもあったし、項羽がストレートで激しい部分があるので、僕はロマンチックな感じでいきたいなと。そういう感じでやっています。
<B>―項羽は黒川拓哉さんと池田努さんのダブルキャストですが、それぞれ違いはありますか?</b>
池田さんの項羽は、暴れた感じというか激しい項羽。黒ちゃんの項羽は強さを内面的に持っている人というか。池田さんは強さを外に出しているんですけど、黒ちゃんは心に持っている強さというか。だから話し方とかアクション、仕草も全然違うので面白いです。まったく違う、真逆なんです。僕も両方楽しめるので楽しいです(笑)。二人とも身長も大きくてカッコいいので、ライバル的な存在でいいなと思ってやっています。
<B>―ユナクさんご自身のおすすめのシーンはありますか?</b>
そうですね。劉邦という役で、僕にとっては一番ラストシーンに気持ちがすごく入っています。想像するだけで考えるだけで涙がでるくらい悲しいシーンがあって。ラストシーンが一番、おすすめです。
<B>―今回の髪型と衣装についての感想は?</b>
初めて着たんですけど、僕が台本を見たときのイメージも劉邦は“赤”だなって思ったんですよ。赤って、グループの中のカラーも僕はレッドなので、リーダーシップもあっていいなと思うし、僕だけけっこう厚着なんですよ(笑)。皆、けっこう薄着で涼しいと思うんですけど、僕カーペットみたいな感じで(笑)。着るだけで暑がっているくらい厚着なんですけど、これ着ているだけで劉邦になったなと思います。
ロン毛はジャケ写では撮ったことがあったんですけど、あれはかつらで、今回は2回目ですけど。うーん、ちょっとなんていうか仕草が女性っぽくなるというか…(ロングの髪を指にくるくる絡ませながら)ちょっとこうなるんですよ(笑)。
囲み会見では時間がない中でも丁寧に記者たちの質問に応じ、フォトセッションにも笑顔で応じた2人。凰稀かなめは「楽しんでくださいね」と記者たちにも声をかけ、ステージへと向かった。
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