韓国と日本の女性学者で構成された韓日女性共同歴史教材編纂委員会が、4年にわたる共同作業を終え、両国の近現代史を女性の視点からみた歴史教科書を同時に出版した。
 韓国では「女性の目でみた韓日近現代史」(ハンウルアカデミー)、日本では「ジェンダーの視点からみる日韓近現代史」(梨の木舎)との題名で発売される。両国67人の女性研究者らは、日本の一部の歴史教科書が「日本軍の性奴隷」など加害の歴史を削除したり、女性差別を超歴史的なものだと記述し家父長制を強調し、これを軍国主義の根源としてきた点に注目してきた。教科書作成の共同作業は、日本の歴史教科書をめぐる問題が取り上げられ始めた2001年、日本の女性、戦争、人権学会が韓国挺身隊問題対策協議会の戦争と女性人権センターに持ちかけたことがきっかけとなり始まった。韓国側はソウル大学社会学課の鄭鎮星(チョン・ジンソン)教授が、日本側は天皇制を批判し社会主義的な観点で日本の女性運動を研究してきた鈴木裕子氏が、それぞれ執筆責任者を務める。

 2002年にはソウル大学で両国の女性学者らが集まり、共同教材の観点と内容について「帝国主義の批判」、「女性と被害者の観点で叙述」、「1国の歴史を超えた歴史叙述」との枠組みを決定した。また出版する本は、中高校生と一般人が見やすい「教養書」の性格を持たなければならないとの点でも同意した。

 同書は「日本帝国主義の拡張と朝鮮強制占領」、「3・1運動と社会運動の展開」、「日本の植民地時代の生活と文化」、戦時動員と日本軍慰安婦」、「解放と朝鮮半島分断、朝鮮戦争」、「民主化闘争と女性」、「女性運動の成長と女性国際戦犯法廷」の全7章で構成される。


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