先日、563号のメールマガジン
「にんじんも取ってもらいなさい」で、
義理の両親の婉曲的?依頼表現についてお届けしましたが、なんと先日!
外でそれを話していた方々に遭遇したのです!

夏休みに入ったばかりの休日の下り電車。未就学児の幼い兄弟を、おじいちゃん、おばあちゃんがお出掛けに連れて行ってあげているようでした。

幼い兄弟をおじいちゃん、おばあちゃんが囲んで座っています。おばあちゃんが
ふとこう言いました。「おじいちゃんにバナナをむいてもらいなさい」。すると
おじいちゃんは黙って袋からバナナを取り出し、むいて子供に食べさせてあげていたのです。

わぁ~、他にもこの表現を使う人たちがいるんだぁ!おじいちゃん、なんとも
思わないのね、さすが長年連れ添った夫婦!と驚くとともに、住んでいる地域も
年代も、義理の両親と似ているなぁ、と思いました。

いや、でも、年代や地域に関係なく、別におかしい表現でもなく、これしきの表現が
受け入れられず、カチンとなっている自分の心が狭いだけなのかもしれません(笑)。

さてそこで、「バナナをむく」って韓国語で言えますか?擬音語・擬態語と同じで、
ネイティブにはなんてことない言葉でも、幼少期にその言語に触れていないと
定着が難しい表現ってあるんですよね。「バナナをむく」などは良い例です。

「バナナ(の皮)をむく」は、

「바나나 껍질을 벗기다」(パナナ コプチルr ポッキダ)

です。日本語では「皮」を入れなくても充分ですが、韓国語の場合、
「껍질을(皮を)」を入れないと若干不自然になります。

そして、「벗기다」もポイントです。関連語彙として分かりやすいのは、まず、
「옷을 벗다」(オスル ポッタ/服を脱ぐ)でしょうか。
その「벗다」の使役(しえき)が、「옷을 벗기다」(オスル ポッキダ/服を脱がせる)ですね。

「벗다」は、何かに覆われている状態を表し、そしてそれを
「はがす、取る」のが「벗기다」とイメージすると覚えやすいかもしれません。

従って、かなり使えない例文かとは思いますが、

○야, 할아버지한테 바나나 먹고 싶다고 해.
(○ヤ ハラボジアンテ バナナ モッコ シプタゴ ヘ
/○ちゃん、おじいちゃんに、バナナ食べたいって言いなさい)

○야, 할아버지한테 바나나 껍질을 벗겨 달라고 해.
(○ヤ ハラボジアンテ バナナ ポッキョ タルラゴ ヘ
/○ちゃん、おじいちゃんに、バナナむいてって言いなさい)

この「間接話法」ならぬ「間接指令」、こういうふうに言われたら、
皆さんは素直にバナナの皮をむいてあげますか?(笑)



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