米国の「北京五輪外交ボイコット」検討で、米中関係が再び「試練」を迎えた(画像提供:wowkorea)
米国の「北京五輪外交ボイコット」検討で、米中関係が再び「試練」を迎えた(画像提供:wowkorea)
米国と中国が首脳会談を終えてから3日後、北京冬季オリンピックの「外交ボイコット」問題で米中は再び「丸木橋」の上に立った。

「オリンピック外交ボイコット」とは、選手団だけを派遣し開・閉幕式に政府関係者などの使節団は送らないということを意味する。

単純に「文化・体育行事に政府の高官を派遣する」という問題を超え、両国が重視する価値と主権問題がからまった複雑な事柄であるため、今回の事案に対する米中両国の対応は「首脳会談以降の両国関係の変化を知らせる風向計になる」ものと予想される。

ジョー・バイデン米大統領は18日(現地時間)ホワイトハウスでカナダのジャスティン・ドルドー首相との会談後の記者会見で、来年2月の北京オリンピックの外交的ボイコットの検討を問う質問に「検討している」と答えた。

その後、ホワイトハウスの報道官は会見で「北京オリンピックに対する外交的ボイコットの検討は、新疆ウイグル自治区での人権慣行への懸念のためだ」と明らかにした。

この事案は、表面的には「北京冬季オリンピック」という人類和合の祝祭の開・閉会式に一国の政府関係者を派遣し、その行事を輝かせるのか否かという問題である。

しかしその一国が「米国」ならば、話は全く違ってくる。西側世界のリーダー格である米国が外交ボイコットを決定する場合、それはヨーロッパを中心にした西欧陣営にとって一種の「ガイドライン」となり得るものであるため、連鎖的に外交ボイコットへとつながっていく可能性がある。

すでにヨーロッパ発の外交ボイコットの動きが起こっている中、米国がボイコットを最終決定する場合、来年後半の第20回党大会で3度目の再任を確定させる前にオリンピックを成功へと導きたい習近平中国国家主席の構想に支障を招く恐れがあるため、中国としては敏感にならざるを得ない問題である。

米国側が外交ボイコットの検討の理由として「新疆ウイグル自治区での人権蹂躙(じゅうりん)」をあげていることから「米中両国の妥協の余地は狭まった」というのが、大方の見方である。

米与党“民主党”の伝統である「人権重視」外交基調によることを明らかにした以上、まず米国としては中国の改善措置がない状況で退路を見出すのは難しい。一方中国も、戦略的に重要な新疆に対する西欧の人権問題提起を「内政干渉・主権侵害」とみなしてきたことから、新疆の人権問題自体を否定する立場を変える可能性は高くないものとみられる。

結局、米中両国がこの事案をどのように処理するかは、今後両国が国際社会の主導権争いにおいて「熾烈に競争はしても、Win-Win(ウィンウィン)が可能な両者および多国間の懸案では協力することができるのか」が試される “テストケース”になるとして、注目されている。

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