事実、防衛産業においては、強大国と中堅国の差は存在する。強大国の防衛産業は、軍事的に汎世界的な軍事技術覇権の維持を目標としている。米バラク・オバマ政権当時に3次相殺戦略で宣言した軍事技術の支配的維持は、防衛産業の優位があってこそ可能なことである。経済的には国内の生産と輸出量の増加を通じて新たな雇用の需要を生み出すことができる。また政治・外交的に強大国の防衛産業で生産された兵器の海外移転の承認と保留は、海外輸入の対象国に対する政治的補償と制裁手段にもなる。冷戦時代における超強大国たちは、海外の兵器移転を同盟国確保競争の主要な手段として用いていた。
このように強大国の国家安保において、防衛産業の重要性は明らかである。しかし中堅国の防衛産業は世界最高の軍事技術を保有した状態ではなく、主要な兵器を全て国産化できる水準でもないという特徴がある。したがって中堅国は防衛力建設において海外兵器の直導入と、それよりも研究・開発の時間と費用がかかる国内の防衛産業調達の間で、選択を迫られることもある。
しかし、そうだとしても中堅国の国家安保における防衛産業の役割は依然として重要である。まず軍事的に中堅国の防衛産業は有事の際、オーダーメイド型対応能力の唯一の源泉になる。危機の際、予測不可能な新たな兵器と戦術の登場による脅威に対応するためには、オーダーメイド型でありながも迅速な軍事技術の開発が必要となるが、結局は国内の防衛産業だけがオーダーメイドでありながらも迅速に技術を開発することのできるプラットフォームになる。そして自国の安保状況と自国軍隊の性格に特化した軍事的補強の要求においても兵器市場に依存することはできず、国内の防衛産業だけがその要求に応えることができる。
イスラエルの空軍は、1973年の4次中東戦で地対空ミサイルにより大きな被害を受けた後、海外の技術輸入の代案はないとみて、国内の防衛産業を通じて空軍に特化した偵察打撃複合無人機を確保した。その結果、1982年の戦闘では地対空ミサイルの攻撃を無力化させることができた。
一方経済的には、海外直導入兵器のさらなる軍需支援と性能改良のためのさらなる費用を踏まえると、国内の防衛産業の調達が長期的に国防費を削減できる方法となる。政治・外交的には核心指揮統制システムのセキュリティ装備と、アルゴリズムのように他国と共有できない機能の開発は、国内産業に任せてこそ戦略的主権確保が可能となる。
このような中堅国の国家安保における防衛産業の軍事的・経済的・政治外交的効果は、国内のあらゆる防衛産業力が一定水準以上である時、得ることができる。すなわち国内の防衛産業育成は、中堅国における国家安保の必要条件である。そのような意味で、韓国の防衛産業を一定水準以上に育成するために政府が考案した韓国製優先獲得制度が、その目的を達成するようになることを願う。
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