番組によると、最近、日本の学界や経済界を中心に、日本が近いうちに先進国の地位を失うことになるとの警告が相次いでいる。10年以内に日本の1人当たりのGDPがOECDの平均以下に下落するという見通しも出ている。1975年のG7創立以来、創立メンバーとして50年近く名実共に先進国の地位を維持してきた日本は、なぜこのような状況に至ったのか。
日本がいわゆる「失われた30年」を経て米国との格差は広がり、中国は猛スピードで追い上げ、韓国には少しずつ追い抜かされる状況が続いた。老いつつある日本、日本の低迷は韓国に多くの示唆点を見せている。果たして韓国は、日本と異なる道を歩んでいけるのだろうか。
日本の状況をより正確かつバランスよく診断する早稲田大学国際教養学部のパク・サンジュン教授と一緒に調べてみる。
◇経済大国・日本に響く“先進国脱落警告”
1964年に東京五輪、1970年に大阪万博を成功裏に終え、早くも経済成長を成し遂げた日本。1975年に創立会員としてG7に加入した日本は一時は米国を凌ぐほどの経済大国であり、世界がうらやむ先進国としての地位を維持してきた。しかし、好況期が終わり、1990年代以降は長期不況に陥り、いわゆる「失われた30年」に陥った日本。
現在、日本国内では「先進国脱落を目前に控えている」という警告が相次いでいる。大蔵省(現在の財務省)官僚出身で著名な経済学者である野口悠紀雄氏は「G7に日本の代わりに韓国を入れようとしても何も言えない」と苦言を呈し、ユニクロ創立者の柳井正会長は「日本はすでに中進国であり、(今後)発展途上国になるかもしれない」と強く主張した。
日本はどうしてこのような状況に至ったのだろうか。日本が感じる不安感は誇張なのか、それとも本当なのか。
◇バブルの崩壊、失われた30年
日本経済の悲劇はどこから始まったのだろうか。1980年代、深刻な貿易赤字に苦しんだ米国は、貿易相手国に為替レートの調整を要求する。いわゆる「プラザ合意」(Plaza Accord)は、莫大な貿易黒字を記録していた日本を狙った措置だった。プラザ合意で円相場が上がると、日本企業の営業利益は減少し、経済は低迷に陥った。
結局、日本政府は景気浮揚のために金利を引き下げ、融資規制を急激に緩和した。お金は株式と不動産市場に流れ込み、深刻な資産バブルが発生した。融資が容易になると、当時、料亭を経営していた平凡な60代女性が、約2億6000万円もの融資を受ける奇想天外な事件が発生したりもした。
しかし、バブルは崩壊する。日本政府が金利を引き上げると株や不動産の価値は大暴落し、日本経済は急落した。「失われた30年」の始まりだった。1990年代のバブル崩壊の衝撃から、日本はいまだに完全に抜け出せずにいる。
◇老いた経済を復活させようとする日本の努力
日本は過去の栄光を取り戻し、先進国としての地位を守るために必死になっている。アベノミクス、つまり物価が上がるまで資金を供給する、いわゆる「量的緩和」政策で日本企業の営業利益は増加し、これの見返りとして日本政府は企業に賃上げを要求して雇用を安定化した。
日本が持っているもう一つの底力は、企業の革新と努力だ。経済不況が長期化すると自国市場だけでは生存が厳しいと判断した日本企業は積極的に海外進出に乗り出し、外貨を稼いだことが日本経済の支えとなった。また、日本の企業は研究開発に集中投資し、イノベーションのために惜しまず努力している。
日本経済が依然として強みと底力を持っているにもかかわらず、なかなか活力を取り戻せないのにはより根本的な問題がある。人口減少、特に若い生産人口が減少していることだ。
◇日本と似ている韓国は異なる道を歩めるだろうか?
パク・サンジュン教授は日本経済の衰退の根底には深刻な少子高齢化問題があると診断する。しかし、これは単に日本だけの問題ではない。韓国の出生率は0.8人で世界最下位を記録し、高齢化も日本より早く進んでいる。韓国社会に差し迫った問題をこのまま放置すれば、日本が歩んできた「失われた30年」の道をそのまま辿っていくことになるかもしれない。
パク・サンジュン教授は韓国が日本のように老いて活力のない社会にならないためには、少子化問題を克服しなければならないと強調する。解決策としては、出産や育児によるキャリア断絶を防ぐ女性の雇用安定対策が急務だと提案している。
果たして韓国は日本と異なる道を歩んでいけるのだろうか。老いて縮んでいく日本の状況は韓国にとって良い反面教師になる可能性がある。日本をより客観的に、正確に見つめ、理解しなければならない理由を早稲田大学のパク・サンジュン教授とともに立体的に調べてみる番組は今日放送される。
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