アン・チョルス(安哲秀)大統領職引継ぎ委員会委員長兼コロナ非常対応特別委員会委員長は27日、ソウル・チョンノ(鍾路)区トンイ(通義)洞の引継ぎ委記者会見場で、コロナ非常対策特別委員会保健医療分科の発表会見を開き、このような内容を盛り込んだ「コロナ非常対応100日ロードマップ」を発表した。
引継ぎ委が決めた新政府のコロナ防疫戦略は「科学防疫」だ。 現政権が国民世論による政務的判断だけで防疫政策を推進し、国民の信頼を失い、結局失敗したと判断したためだ。 安委員長は「現政府がコロナ対応に失敗した理由は、専門家の意見を尊重しなかったため」とし、「ワクチンの備えがまともにできず、デルタとオミクロンの変異などにも対処できなかった点などが代表的なコロナ対応の失敗事例だ」と皮肉った。
これに対して新政府は、専門家が参加するガバナンスを改編し、国民との疎通を強化し、「科学防疫」で国民の信頼を回復する計画だ。 安委員長は「感染病危機対応諮問機構の意見を最大限反映してコロナ危機に対応する」とし「新型コロナウイルスにどれだけ多くの人が感染したのか、ワクチンの副作用と関連してどのような資料を集めたのかなどに関する情報もすべて公開する」と述べた。
新政府の「コロナ非常対応100日ロードマップ」は大きく△科学的根拠に基づいた防疫政策△持続可能な感染病対応体系の確立△高危険・脆弱(ぜいじゃく)施設など脆弱階層に対するより厚い保護△安全なワクチンと十分な治療剤の確保の4つの推進方向で構成される。
科学的根拠に基づいた防疫政策によって、防疫措置も全面改編される。 防疫措置効果の事後分析、国民認識調査などで新しい防疫マニュアルを樹立する計画だ。また、感染拡大に欠かせない換気と関連した政府の支援が、これまで不十分だったと判断し、室内および大衆利用施設に対する科学的分析をもとに換気設備基準を設けることにした。
関心を集めている屋外マスクの解除可否は、5月下旬の状況を見て決めることにした。 安委員長は「まだ韓国の感染者数は全世界的に見て多い方だ」とし「外国で屋外マスクの解除を決めた程度で、(感染者)水準が下がれば可能だと思う」と話した。
持続可能な防疫対応体系作りのためには、年末までに常時対応病床6000床、緊急治療病床4300床、特殊治療目的病床300床を拡充するという目標だ。 長期的には感染病専門病院の新設も計画している。 安委員長は「地域ごとに感染病専門病院を置き、彼らのコントロールセンターとなる中央感染病専門病院を設立し、今後訪れるパンデミックに対応する体系的な病院システムを構築する」と明らかにした。
コロナ後遺症(ロングコビッド)関連対策もまとめる。 安委員長は「最近ロングコビッドの話が多く出ているが、これに対するデータが集まっていない」とし「1万人程度の規模で医療機関を指定して治療ガイドを作らなければならない」と述べた。
ワクチンの副作用に対する補償も強化する。 ワクチン副作用医療費支援限度は3000万ウォン(約300万円)から5000万ウォン(約500万円)へ、死亡慰労金は5000万ウォン(約500万円)から1億ウォン(約1千万円)へ上方修正する。 原因不明の突然死に対しても慰労金を支給する。 コロナ非常対応特別委員会のチャン・サンユン政策支援団長は、「突然死の場合、因果性が不明でも一定期間内にワクチンが影響を及ぼしたと推定されれば、慰労金のレベルで支援する」と説明した。
ただ、引継ぎ委の今回の発表が、現政府の防疫政策と食い違う恐れがあるという懸念が出ている。 防疫当局が27日に行った会見で、屋外マスクの解除について29日に発表すると明らかにしたためだ。
これに対して安委員長は、「引継ぎ委は屋外マスクの解除について勧告事項を述べたもので、これまで政府は引継ぎ委の勧告案に協力してくれた」とし、「屋外マスクは来週すぐに解除するよりは、5月下旬に判断した方が望ましいというのが引継ぎ委の判断だが、政府がどのような判断をするかを見守る」と述べた。
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