韓国防疫当局は感染症危機警報段階を「関心」から「注意」に格上げし、ドイツ・スペイン・英国・ポルトガル・フランスの5カ国に対する入国時の発熱基準(37.5→37.3℃)を強化することにした。 欧州・北米・オーストラリアなど27ヶ国に対しては来月1日から年末までの6か月間検疫管理地域に指定する予定だ。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックに続き、サル痘も国内追加拡散の懸念が高まり、感染危険や症状、致命率、治療剤およびワクチンなどに対する関心も高まっている。
23日、世界保健機関(WHO)と米国ジョンズホプキンス大学などによると、サル痘は22日午後5時基準で計52カ国で感染者3127人、疑い患者117人などが発生した。 このうちアジアでは、韓国をはじめイスラエル(11人)、アラブ首長国連邦(13人)、レバノン(1人)、シンガポール(1人)の5ヵ国で27人が感染した。
サル痘は1958年、研究のために飼育していたサルから初めて発見され、その後1970年コンゴ民主共和国で初めて人の感染が報告された。 致命率は3~6%水準であり、風土病地域では西アフリカ1%、中央アフリカ10~11%程度である。 しかし、今回の流行では先月7日に最初の患者が発生して以来、ナイジェリアで1人が死亡したが、アフリカ以外の地域では死亡者が出ていない。
サル痘の感染経路は△「動物→人」△「人→人」△「感染した環境→人との接触」などである。 現在まではネズミのような齧歯(げっし)類(別名ネズミ科)が主な感染媒体としてあげられており、主に有症状感染患者との密接接触を通じて感染する。英国や米国などで同性愛男性の発生頻度が高いことが分かったが、患者との接触による感染で、性的指向とは関連性がない。 また、飛沫(唾液)を通じた空気感染は可能性が低いと見ている。
防疫当局は接触段階を△高危険△中危険△低危険の3段階に区分し、高危険に限り、21日間の自己隔離を実施する計画だ。
高危険は感染患者の血液または体液(唾液、尿、嘔吐物など)などが皮膚の傷または粘膜を通じて直接接触した場合だ。また、患者の血液や体液で汚染された服、寝具類、医療器具などが粘膜、皮膚の傷などに接触した場合も該当する。 感染者が滞在した空間を掃除する際、ほこりや飛沫を吸い込んだり、粘膜に露出した場合、伝染期間に感染者と一日以上場所を共有した場合なども含まれる。患者との接触はなくても、感染したサル、リスなど動物との直接接触でも感染することがある。
サル痘の症状は発熱と発疹、頭痛、筋肉痛、腰の痛み、無気力感、リンパ節浮腫などがある。 発疹は一般的に発熱後1~3日以内に始まり、顔、手のひら、足の裏に集中して現れる傾向がある。 たまに口や生殖器、眼球などにも現れることがある。 このような発疹などの症状は約2~4週間続くことがある。
韓国政府は飲む抗ウイルス剤「テコビリマート」約500人分を7月中に導入する予定だ。 この製品は海外で唯一許可されたサル痘治療剤で、韓国国内では成人や13kg以上の小児患者に優先的に使用する予定である。 また、韓国希少必須医薬品センターが備蓄している抗ウイルス剤「シドフォビア」と「ベクシニア免疫グロブリン」100人分も必要な場合、医療機関に治療剤として配布する計画だ。 さらに、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けた第3世代ワクチンである「インバネックス」(米国名ジンネオス)の導入も推進する。
サル痘は海外出入国管理を通じた国内流入遮断が難しい部分もある。 潜伏期間が最大3週間(21日)と長く、無症状段階では遺伝子増幅(PCR)検査で感染有無の判定が難しいためだ。 これを受け、防疫当局は新型コロナウイルス感染症とは異なり、サル痘は無症状者に対する入国前後PCR検査を実施しない方針だ。
専門家たちはサル痘に対する過度な恐怖心を持つ必要はないと助言する。
コリョ(高麗)大学クロ(九老)病院感染内科のキ・ウジュ教授は「サル痘はアフリカ以外に死亡者がなく、ほとんど軽症で治癒する」とし、「濃厚接触後も第3世代ワクチンを接種すれば発病しても症状が弱く、空気感染はほとんどないと思う」と述べた。
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