セウォル号事故の治療費「まだ」、また国民の医療費に手を出した韓国政府(画像提供:wowkorea)
セウォル号事故の治療費「まだ」、また国民の医療費に手を出した韓国政府(画像提供:wowkorea)
韓国政府がイテウォン(梨泰院)事故の犠牲者に対する支援金を給付することに決定した。

 しかし、このうち治療費は健康保険財源を活用することにしながら、結局政府の責任を国民に転嫁しているのではないとの指摘があがっている。

 6日、中央災難(災害)安全対策本部によると、政府は梨泰院事故の犠牲者の告別式費用を1人あたり最大1500万ウォン(約150万円)、慰労金性質を持つ救護金は死亡者2000万ウォン(約200万円)、負傷者は最大1000万ウォン(約100万円)を支給する。このうち、治療費は健康保険財源でまず代納し、国費、地方費などで今後精算することにした。「主催者のいないイベント」による事故という点を勘案し、負担することにしたとみられる。

 しかし問題は、このように持ち出されて使用された基金は、すぐに返還されていない点だ。

 2014年に発生したセウォル号事故当時も政府は負傷者の身体的・精神的疾病および負傷と後遺症治療に必要とされる法定本人負担金と非給与、看病費用、処方された薬剤費の本人負担金などを健康保険公団で医療機関にまず支給し、今後、国庫で公団に正常支給することにした。8年が過ぎた現在も、費用はきちんと決済されていないことが分かった。

 健康保険は、その年に使う医療費を国民が毎月納付し貯めるもので、税金と性質は異なる。現在、健康保険財政72兆8000万ウォン(約7兆3000億円)のうち、国費支援規模は10兆5000万ウォン(約1兆円/2022年基準)だ。これは、全体の健康保険財政の14.4%で、80%以上を国民が負担することを意味する。

 このように国民保健財政のうち国費比重は少ないが、政府が必要な際に持ち出して使うことは手軽い。健康保険の主要決定は、健康保険政策審議委員会でおこなわれるが、ことし3月に通過された「健康保険災難対応マニュアル」によると、所要財政が500億ウォン(約50億円)未満である場合、健康保険政策審議委員会の議決を受けなくても事後報告だけでも推進が可能で、健康保険政策審議委員会が開かれなくても災難(災害)支援のために活用が可能な状態だ。

 カン・ウンミ「正義党」所属議員は、「政府が国庫はあまり支援せず、健康保険財政は”串柿を抜いて食べるように”引き抜く」とし、「このようにしながら、国民には金を出せ、保証を下げると言うのは国民が納得しない」と指摘した。

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