所信表明演説は、内閣総理大臣が政権として取り組む重要課題や政権の運営方針などについて見解を示す演説。新たに首相が選出されたり、臨時国会や特別国会が召集されたりした際に行われる。
しかし、所信表明演説は法令で義務付けられているものではない。1953年の臨時国会で吉田茂元首相が初めて行って以降、慣例となっている。
岸田首相の所信表明演説に、韓国メディアは不満を持って伝えている。韓国メディアからは、演説日前から、岸田首相が韓国に関してどのような立場を示すかに注目する記事も出ていた。中央日報は前日の記事で「岸田首相が初めての所信表明演説で、韓国に対して菅義偉首相と同様の立場を示すのか、異なる立場を示すのか関心が集まっている」と伝えていた。
岸田首相は所信表明演説で、「韓国は重要な隣国だ。健全な関係に戻すためにも、わが国の一貫した立場に基づき、韓国側に適切な対応を強く求めていく」と述べた。
これを受けて韓国紙・ヘラルド経済は、「演説内容からは『冷え切った日韓関係』に対する速やかな変化の可能性を見出すことはできなかった」とし、「韓国を『重要な隣国』と表現したが、関係回復のための先制的な措置の意思は示されず、内容の量や表現も他の国々と比べて少なかった」と伝えた。また、「演説は約6900字の量だったが、韓国への言及はこの2文だった」と不満をにじませた。
聯合ニュースも「演説文からは韓日関係の変化を期待できるような端緒を見つけられなかった」と伝えた。その上で、岸田首相の演説を昨年10月の菅義偉前首相と2019年10月の安倍晋三元首相の所信表明演説と比較。
記事は、菅氏が「韓国は極めて重要な隣国だ。健全な日韓関係に戻すべく、わが国の一貫した立場に基づいて適切な対応を求めていく」と述べていたことを紹介した上で、「岸田氏は同じような文言を用いながらも『極めて』を外した」と指摘。「菅氏は今年1月の施政方針演説では『極めて』を外して『韓国は重要な隣国だ』と述べており、岸田氏はこれを引き継いだ形だ」と報道した。
また、記事は、安倍氏が所信表明演説を行った2019年10月は、日本が対韓輸出規制を強化し、韓国が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長しない意向を表明してから約1か月半たった時だったとし、「韓国は重要な隣国だ」と述べた安倍氏と岸田氏とで言い回しが同じだと指摘。
また「韓日が鋭く対立している最中に使われた言い回しが、所信表明演説で再び登場した背景には、両国関係の改善は期待しがたいという日本側の認識がありそうだ」と分析した。その上で、「安倍、菅両政権下で行き詰まった韓日関係の打開は、当面難しいとみられる」と伝えた。
一方、岸田首相は8日夕に中国の習近平国家主席、インドのモディ首相とそれぞれ電話会談を行った。4日の就任後、米国のバイデン大統領、オーストラリアのモリソン首相、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平主席とは既に電話会談を済ませている。
しかし、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領とはまだ会談が実現していない。ちなみに菅前首相は、就任8日後にムン大統領と電話会談を行っている。
岸田首相が所信表明演説で述べた「重要な隣国」の首脳との電話会談はいつになるのか。それが「付き合い重要度」や「新密度」を表す数字にはなるかもしれないが、もっと重要なものはその中身である。詭弁を動員し、約束を守らない韓国の現政権だが、簡単な解法は確かに存在する。
それは文大統領が岸田首相に「約束を守る」と一方的に宣言することだ。プライドや自尊心に多少の傷は付くだろうが、自ら招いたことなのでそれぐらいの打撃は甘受すべきだ。政権だけでなく、韓国や韓国人を嘘つきとしてしまった誤りは、権力を握っている時まで可能なものだ。来年5月以降は、そのチャンスすら無くなる。
社長が代わったとして、新任社長が前社長・元社長の行った約束・契約は守らなくても良いと言う会社は、取引先から孤立し、いつかは社会から消滅するだけだ。もちろんその責任は新任社長にある。
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