金さんは1948年4月3日に韓国・済州島で起きた武装蜂起を機に、島民数万人が軍や武装勢力に虐殺された「4・3事件」を描いた長編小説「火山島」などで知られる。
新作は月刊誌「世界」で2009年4月から2年6か月にわたり掲載された連載をまとめたもの。
在日韓国人留学生のスパイ事件は、1977年に在日団体の指令で国家機密を探知・収集したとして、留学生2人が韓国でスパイにでっち上げられた事件。1980年に故金大中(キム・デジュン)元大統領に下された死刑判決の根拠にも利用された。
東京学芸大学の李修京(イ・スギョン)准教授は2日、「この小説が扱う内容は決して在日同胞だけの問題ではない。同じ韓民族としてどのように痛みを分かち合い治癒すべきか、人として当然享受すべき権利とは何かを深く考えさせられる」と評した。
金さんは済州島出身の両親のもと大阪で生まれた。京都大学卒業後、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙、朝鮮新報の記者を経て作家に転身。「火山島」で大佛次郎賞や毎日芸術賞を受賞した。
Copyright 2012(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0