1987年12月、韓国に連行される金賢姫元工作員(中央)=(聯合ニュース)
1987年12月、韓国に連行される金賢姫元工作員(中央)=(聯合ニュース)
【ワシントン聯合ニュース】1987年11月29日の大韓航空機爆破事件で、米国が実行犯の金賢姫(キム・ヒョンヒ)元北朝鮮工作員を事件直後に直接取り調べ、北朝鮮工作員と結論付けていたことが18日、明らかになった。
 また、米国は当初、韓国政府が北朝鮮に報復する可能性を懸念したが、1988年のソウル五輪、韓国大統領選と政権交代などを控え、全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領が報復しないことを決めたという。
 米国務省がこのほど公開した秘密文書から明らかになった。米国は通常、作成年度から30年を経過した秘密文書を公開しているが、今回は特別な説明なく、早期の公開となった。韓国で今も「事件は企画・工作されたもの」「金賢姫は偽者」などの主張があることと無関係ではないとみられる。
 在韓米国大使館が1988年2月に本国に報告した電文によると、米当局者は事件直後に「米国が統制する状況」で金元工作員を取り調べた。米情報当局が確保していた北朝鮮工作員26人の写真を確認させたところ、金元工作員は欧州で接触した3人を挙げた。これを根拠に、金元工作員が北朝鮮のために動いていると判断したという。
 また、米国が中央情報局(CIA)傘下の外国放送情報サービス(FBIS)を通じ、金元工作員が1988年1月15日に記者会見した際の声紋を分析し、「イントネーションと語彙(ごい)が北朝鮮の人」と結論付けていたことも分かった。
 国務省は同会見の直後、在韓米国大使館宛てのプレス対応指針で「米国はこの時点まで金賢姫と直接接触していないが、われわれは接触を希望しており、韓国政府が機会をつくることを示唆した」と記した。これらの日時を踏まえると、米国が金元工作員を直接取り調べた時期は、金元工作員の記者会見直後と推定される。

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