第1回済州4・3平和賞を受賞した金石範氏=1日、済州(聯合ニュース)
第1回済州4・3平和賞を受賞した金石範氏=1日、済州(聯合ニュース)
【済州聯合ニュース】済州島4・3事件の真相究明に貢献したり、世界平和や人権伸長に寄与したりした人に贈られる「第1回済州4・3平和賞」の授賞式が1日、済州市内のホテルで行われ、受賞者の在日同胞の小説家、金石範(キム・ソクボム)氏に賞金5万ドル(約600万円)などが贈られた。 済州島4・3事件は1948年4月に済州島で起こった島民の蜂起に伴い、島民が軍や警察などに虐殺された事件。同賞は4月3日が同事件の犠牲者の追悼日として昨年、法で定められたことを記念して設立された。 金氏は「長く留まることができない故郷の地である済州に帰ってきて、このような賞を受けることになり、非常に光栄でうれしい」と喜びを語った。また、「半世紀を超える長い苦難の歴史があり、まだ4・3(事件)の完全な解放までには遠いが、このような賞が作られたのは、4・3(事件)が少しずつ普遍性を持ちつつあることを見せてくれている」との考えを示した。 済州島出身の両親のもと、日本で生まれ育った金氏が4・3事件に興味をもった理由について、「当時済州にいたとすれば、私は今ここにいなかったと思われる。故郷の地で起きた凄惨(せいさん)な虐殺に対する衝撃が大きかった」と説明。その上で、「4・3を事件と呼ぶのも間違っている。4・3は大虐殺だ。真相を明らかにし、隠された歴史を伝えなければならない」と強調した。 金氏は57年に同事件を扱った小説「鴉の死」を発表。その後も同事件を題材とした小説で国際社会に済州島4・3事件の悲劇を伝えた。84年には長編小説「火山島」の第一部で朝日新聞社主催の大仏次郎賞、98年には第二部を加えて完結させた「火山島」で毎日新聞社主催の毎日芸術賞を受賞するなど、高く評価されている。 執筆活動以外にも87年に「済州島4・3事件を考える会・東京」と「済州島4・3事件を考える会・大阪」の結成を主導するなど、事件の真相を究明する運動を行った。事件の際に数百人が虐殺された現在の済州国際空港での遺骨発掘を訴えたこともある。  yugiri@yna.co.kr
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