【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は2011年末に最高指導者となって以来、権力者たちを次々に粛清する「恐怖政治」を敷き、自身の権力を固めてきた。 韓国統一部の鄭俊熙(チョン・ジュンヒ)報道官は31日の定例記者会見で、北朝鮮の金勇進(
キム・ヨンジン)副首相が処刑され、朝鮮労働党の金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長が地方農場での強制労働などを含む「革命化教育」処分を受けたと伝えた。韓国情報機関・国家情報院傘下の国家安保戦略研究院によると、金委員長は15年末までに幹部100人余りを処刑したとされるが、政権5年目の今なお粛清を続けていることになる。 父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記の死後、金委員長は軍の実力者とされていた李英鎬(リ・ヨンホ)朝鮮人民軍総参謀長を最初のターゲットとし、12年7月に李氏を突如として解任した。軍の統制強化に非協力的な態度を取ったことに対する問責の意味があったようだ。 李氏を含め、金総書記の葬儀で遺体を乗せた霊きゅう車に付き添っていた金正覚(キム・ジョンガク)氏、金永春(キム・ヨンチュン)氏、禹東則(ウ・ドンチュク)氏の軍幹部4人は金正恩体制下で粛清されたか、または一線から退いた。 金委員長は13年12月には、国防副委員長などを務め北朝鮮のナンバー2として君臨していた叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏を国家転覆の陰謀を理由に処刑した。世界中に衝撃が走ったこの一件は、ナンバー2の存在を許さない、金委員長の唯一指導体制の構築が目的だったとみられている。 昨年4月には玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長(韓国の国防部長官に相当)が裁判も行われず銃で公開処刑され、金正恩体制の残忍さを国際社会にあらためて示した。翌月の同5月には、金委員長が進める山林緑化政策に不満を示したなどとして、崔英健(チェ・ヨンゴン)副首相が処刑された。
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