北朝鮮の豊渓里核実験場周辺の道路・橋梁、台風で流失=38ノース(画像提供:wowkorea)
北朝鮮の豊渓里核実験場周辺の道路・橋梁、台風で流失=38ノース(画像提供:wowkorea)
北朝鮮が、2018年に閉鎖したハムギョンプクド(咸鏡北道)プンゲリ(豊渓里)にある核実験場周辺の道路と橋梁が、ことし相次いだ台風の影響で流失するなどの被害を受けたと把握された。

 24日(現地時間)米国スティムソン・センターが運営する北朝鮮専門ウェブサイト「38ノース」によると、去る17日に豊渓里核実験場一帯を撮影した商業用人工衛星写真を分析した結果、核実験場付近を流れる河川が大きく氾濫した状況が把握された。

 38ノースは「河川底がひどく掘られ、幅も広くなった」とし、「このため河川周辺の道路と橋梁が数か所、破損した」と伝えた。

 38ノースは「核実験場の北朝鮮側坑道に人が直接接近できる唯一の道だった人道橋も流失した」とし「地下坑道も内部が直接的な被害を受けたかは分からないが、主要進入路が損傷されただけに、今後ここで核実験を再開するには相当な清掃および復旧作業が必要となる」と説明。

 また「実験場周辺の道路・橋梁の被害にもかかわらず、行政支援施設建物は異常ないものとみられる」とし、「しかし、北朝鮮が現在もこの建物を利用しているかどうかは確認できなかった」と付け加えた。

 38ノースはことし1月には「豊渓里核実験の坑道と行政支援施設周辺で人や車両が通り過ぎて発見された」と明らかにしていた。

 豊渓里核実験は北朝鮮が2006年10月から2017年9月まで計6回にわたって核実験を実施した場所だ。同実験場には4つの核実験用地下坑道があり、1次核実験は東側の1番坑道で、残りの2~6回目の核実験は北側の2番坑道で実施された。

 北朝鮮当局は米国と本格的な非核化交渉開始に先立ち、2018年5月、韓国・米国・中国・ロシア・英国など5か国の取材陣を招待、豊渓里核実験の閉鎖行事を取材させた。このとき東側の坑道を除いた残りの3つの坑道を爆破方式で閉鎖したと明らかにしていた。東側の坑道は1回目の核実験後、汚染で閉鎖されたことと伝えられている。

 しかし当時、北朝鮮は2018年4月27日、南北首脳会談で約束したのとは異なり、米韓両国の専門家は爆破現場に招待せず、「検証」が必要との指摘が提起されてきた。3~4番坑道の場合、内部は正常な状態で入り口だけを爆破できるという理由からだった。

 38ノースは今回の衛星写真分析で、核実験場周辺の道路などの復旧工事が行われている状況は捉えられなかったと明らかにした。

 豊渓里は日本海(韓国東海)と隣接しているため、放射能流出の場合、汚染が拡大する可能性もあると指摘されている。

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