釜山市江西区の加徳島新空港敷地の全景(画像提供:wowkorea)
釜山市江西区の加徳島新空港敷地の全景(画像提供:wowkorea)
「ころころ変わる政策に疲れます。新空港の建設をするのかしないのか、今は早く決断を下さなければならない時です」

国務総理室キメ(金海)新空港検証委員会が17日、事実上‘金海新空港’を廃棄する案を出し、カドク(加徳)新空港建設推進が台頭している。

これまで加徳新空港を念願してきたプサン(釜山)・ウルサン(蔚山)・キョンサンナムド(慶尚南道)の各市民団体は、今回の国務総理室の発表を契機に、長い間論争の的だった金海新空港が事実上白紙化の手順を踏むとして‘歓迎’の声を上げている。

しかし、新空港が建設される加徳島の地元住民たちの反応は、それほど嬉しくはないようだ。加徳島が新空港の立地になることを望む‘賛成派’がいる反面、環境・騒音問題で新空港建設を問題視する‘反対派’も存在するからだ。

何よりも彼らは、政権の度に二転三転を繰り返してきた加徳新空港問題に疲れ果てた様子だった。新空港推進の長期化による不確実性の高まりへの憂慮と見られる。

チョン・ウングン加徳島住民自治委員長は「検証委員会の発表を見守った現在の住民たちの反応は期待半分、不安半分に分かれている」とし「我々住民たちの意思はただ1つだ。加徳島が空港に選定されるのかされないのか、早く決定してほしいということ」と明らかにした。

チョン委員長は、加徳新空港建設の推進過程で、政界が住民たちと十分に疎通しなかったと指摘した。まさしく加徳島の住民たちが新空港建設という非常に重大な問題から排除されており、不満を抱いているという意味だ。

チョン委員長は「長い間、加徳島が国家計画の対象になり、15年間、都市計画が円滑に行われていないのが実情」とし「2016年に金海空港拡張発表が出ても妥当な後続措置も出せず、土地取引許可区域制限も2年が過ぎてようやく解除された。土地規制が厳しくて民間開発が難しく、住民たちの不満がまだ残っている」と吐露した。

新空港建設で生涯働いてきた漁業基盤に問題が生じるのではないかと心配する漁師たちも少なくないというのが住民たちの説明だ。

加徳島を選挙区とするパク・ヘジャ(朴惠子)カンソ(江西)区議会議員は「実際に多くの住民が疲れているのは事実」とし「ずっと政治論理によって、こっちに行ったり、あっちに行ったり、後になったりするのではないかという不安が漂っている。完全な確信がない状態だ」と指摘した。

朴議員は「加徳島に多くの観光客が訪れるだけに自然破壊を最小化する限度内で、人のための新空港を作らなければならない」と主張した。

今回の検証結果をめぐり、今になって金海新空港の白紙化決定が下されたとし、‘時すでに遅し’と評価する住民もいた。住民への騒音、安全への懸念など、多くの問題点を含んでいる金海新空港は、東南圏の関門空港の役割を果たすには大きな無理があるという指摘だ。

17年間、加徳島に住んでいるチョン某さん(72)は「これまで政府が政治論理でずっと引っ張っているという感じを強く受けていた。これによる被害はそのまま住民に回ってきた」とし「海を埋め立てる海上空港は全世界的な流れとなった。加徳新空港が金海空港拡張安保団の環境面でより得するだろう」と述べた。

チョンさんは「一方では、加徳新空港推進がまだ確かでない状況なのが残念だ」とし「『加徳島関門空港』という名前をきちんと刻んで今後の問題を最小化しなければならない。ずっと新空港問題を引きずると、国家経済にも被害が生じる」と主張した。

加徳島は釜山市江西区の南海岸にある島で、3500人ほどの住民が住んでいる。

面積は、ヨンド(影島)の1.5倍の21.36㎢で、釜山最大の島である。

これまで長い間、外部との交通は船舶に依存していたが、島の北側に釜山新港と釜山新港駅が設置され、陸地をつなぐ‘加徳大橋’が設置された。

ここに空港まで完工すれば、港湾と鉄道、航空など、3軸を構成する‘物流トライポート’が完成し、釜山経済の未来を導くという分析が出ている。

加徳新空港は、周辺に高い山などの障害物がなく、空間が空いているという長所があり、24時間飛行機の運航に適しているという評価を受けている。

これは滑走路付近に障害物が多く、山岳を切り開かなければ拡張できない金海新空港とは異なる利点だ。

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