「慰安婦問題」ICJ提訴は現実的か…日韓win-winの可能性も=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「慰安婦問題」ICJ提訴は現実的か…日韓win-winの可能性も=韓国報道(画像提供:wowkorea)
韓国政府は16日、日本軍慰安婦被害者であるイ・ヨンス(93)氏が慰安婦問題を国際司法裁判所(ICJ)に付託することを要求していることと関連し、「慎重に検討する」と明らかにした。これを巡り外交界ではICJへの付託の実現可能性についての論争が続くとみられる。

イ・ヨン の最新ニュースまとめ

◇ICJ付託手続き、まず日韓の「政治的合意」が必要

イ・ヨンス氏はこの日、「日本軍慰安婦問題ICJ付託推進委員会」と一緒に記者会見を開き、「日本が過ちを悟って反省するようにICJで判断してほしい」とムン・ジェイン大統領に慰安婦問題のICJ付託を求めた。

ICJは国連憲章に規定された国連の主要な司法機関である。「解釈と適用を巡り争いが生じた場合、ICJに付託する」という内容のある国家間の条約を根拠に、ICJの判断が必要な場合には締約国は事案を付託することができる。

ただし慰安婦問題の場合は条約でないため、ICJに提訴するならば、韓国と日本で論議になる「法律上の問題」について先に合意が必要である。政治合意をもとに「ICJに判断を求める」という手続きを経て初めて提訴が可能である。すなわち、韓国と日本政府の合意が先行しなければならない。

イ・ヨンス氏はこの日の記者会見で、日本の菅首相に言及しながら、「一緒に行こう。ICJではっきりさせよう」と述べたのもこのような背景からである。

◇「現実的ではない」vs「日韓ウィンウィンも可能」

外交界では慰安婦問題がICJで取り上げられる可能性を巡って意見が食い違っている。

まず、現実的ではないというのは、日韓両国とも「政治的負担」を抱く状況を避けるだろうという意見である。特にバイデン政権が「日米韓3者協力」を強調している中で、確実に葛藤となる要素は事前に取り除くだろうという主張だ。

彼らは外交部がこの日、イ氏のICJ提訴の立場に「慰安婦の立場をもう少し聞いてみようと思う」とし「慎重に検討する」と述べたのは原則的な反応だという解釈も出ている。

これまで学界の一部で「ICJ提訴」が言及されたことはあったが、被害者側から提起されたのは今回が初めてだ。韓国政府は学界からの提起については事実上「無対応」の立場をとってきたが、今回は被害者本人がICJ提訴を言及したため「慎重検討」「意見聴取」などの発言をしたという見方だ。

これと同時に、日本政府の立場からも慰安婦問題が国際的に注目されるのを望まないという分析もある。

一方、ICJ提訴は、日韓両国ともにウィンウィン(win-win)の結果をもたらすという主張もある。

韓国は、日本側の謝罪など「非金銭的」な面で、日本は個人請求権協定消滅、主権免除違反などの「金銭的」な面で満足できる結果を得ることができるという主張だ。

イ・ヨンス氏と一緒に推進委を結成した延世大法学研究のシン・フィソク博士はニュース1との通話で「(韓国が満足する部分は)ICJは謝罪と責任を認めること、歴史教育などの非金銭的な救済だ」とし「過去の慰安婦制度が国際法違反だったことが確立されることだ」と述べた。

シン博士は「(日本が満足する部分は)個人請求権放棄、主権免除などの手続き的な問題については韓国が敗訴する可能性もある」とし「その場合、韓国と日本双方にとって良い結果となりうる」と話した。
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