2018年、強制徴用被害賠償最高裁勝訴確定判決に日本が強く反発し、日韓関係は悪化した。日本政府の対韓国輸出制限をはじめ、日韓軍事情報保護協定の破棄決定までなされた。また、最近の最高裁の慰安婦判決についても日本政府が抗議し、両国関係の悪化が続いている。
バイデン政権の基調に合わせるために、韓国政府は日本との関係改善の意志を見せているが、日本政府は無反応で関係改善は難しくみえる。
◇日韓政府間の雰囲気は「冷ややか」
政府は朝鮮半島の平和プロセス再起動に米国を引き込むため、日本に融和メッセージを送っている。しかし、日本は何の反応も示していない。
日本政府は、強制徴用・慰安婦最高裁判決の問題について韓国政府に、既存の「司法判決を尊重する」という立場の表明ではなく、より積極的な解決策を出せと主張している。日本政府は、韓国側が具体的な解決案を講じる前までは対応しないという方針である。
菅義弘首相は先月18日、国会施政演説で韓国側が解決策を先に出さなければならないと強調した。彼は「健全な関係に戻るためにも韓国側に適切な対応を強く求めたい」と発言した。
カン・チャンイル新任駐日韓国大使は12日、就任後初めての顔合わせで秋葉武雄次官と会ったが、この席で秋葉次官も解決策を韓国が出せと要求し、強硬な態度をみせたという。
日韓間のコミュニケーションが事実上スムーズに行われていない様子だ。ジョン・ウィヨン外交部長官は就任してから2週間経ったが、茂木敏充外相と通話できておらず、カン・チャンイル駐日韓国大使はまだ菅義偉首相と茂木外相に会えていない。
◇「日韓関係の悪化は続くだろう」
専門家は、韓国政府が革新的な案を出さない限りは日本が応答しないと予想した。日本の強硬な立場に変化の兆しがみられないためだ。
国民大学のヤン・ギホ教授は「政府が昨年10月から継続して日本に対話メッセージを送っているが、日本側からの反応がない」とし、「日本内部でコロナの対応と東京オリンピックの準備などに忙しく、日韓関係改善に乗り出す意欲が出ない」と評価した。
それとともに「ムン・ジェイン大統領は3・1節メッセージで関係改善のメッセージを出すとみられるが、日本政府が動かないだろう」とし「日本政府は、韓国政府が強制徴用・慰安婦判決を解決する具体的な方策を用意しろというが、実現可能性は少ない」と見通した。
◇「東京オリンピック」で雰囲気が変わるか?
東京オリンピックの成功が日韓関係を改善する架橋的な役割をする可能性にも言及した。韓国政府がオリンピック開催の成功を支持しており、これにより北東アジアの平和の問題などについて協力することができるためだ。
ハ教授は「東京オリンピックが実現可能な雰囲気になれば、両国関係が少し柔らかくなる可能性がある」とし、「ただしオリンピックが中止となれば関係が好転する機会がなくなることになる」と語った。
国民大学のイ・ウォンドク教授は、「日本もオリンピックの成功のために、日韓・日朝関係を改善しなければならない」とし「東京オリンピックが実現するなら、日韓関係の分岐点となるのではないか」と説明した。また「長年の感情を打ち明けることができる機会」、「政府間が停滞している時、民間交流や人の往来が重要な役割を果たすだろう」と付け加えた。
2018年の平昌冬季オリンピック当時も安倍晋三前首相が韓国を訪問し、首脳会談が行われた。東京オリンピックが実現するなら政府間の対話が自然に実現する可能性が高い。
ムン・ジェイン大統領も新年記者会見の時、「日韓間の関係改善や交流を促進する機会ともみることができる」とし「平昌冬季五輪の時、安倍晋三首相が訪問したように、東京オリンピックでも韓国で対話が実現すると予想する」と述べた。
コロナにより東京オリンピックの開催が可能となるかどうか、イベントの規模などが変数となるとみられる。
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