各国政府によるとコロナの影響によりオンラインで行われる今回の会議では、米国政府が追求する「自由で開放されたインド太平洋」(FOIP)戦略に基づいて、コロナと気候変動への対応等に関する4カ国間の協力方案が議論される予定である。
特に米国のバイデン大統領はトランプ元大統領に続き、この「クワッド」を中心に「対中国戦線を強化する」といわれており、この日の会議で関連議論がなされるかどうかに注目が集まっている。
こうした中、米国からはオースティン国防長官が会議に同席する予定で、国家間の安全保障も主要議題に上がるだろうと予想される。
安全保障が今回クワッドサミットの主要議題になる場合、事実上、「アジア版NATOの(NATO・北大西洋条約機構)」の出発点になるという見方も出ている。
「クワッド」は元々、非安全保障分野の問題について議論する非公式協議体だったが、今回の会議をきっかけに政治・経済・外交・安保など各国の利害関係が関わる問題を幅広く扱うことになれば、クワッド自体の役割が大きく変わりうるということである。
もちろん参加国からもクワッドで多国間安全保障まで論じることについて否定的な見解が示されていることを考慮すると、すぐにクワッドが大きな役割を担うのは難しいという見方もある。
菅義偉首相は、昨年10月にクワッドと関連して「日本は『自由で開放されたインド太平洋』が特定の国を対象としたものではないと考えている。考え方を共有する他国とも協力できるだろう」とし「『インド・太平洋版NATO』を作るという考えは全くない」と明かした。
しかし「クワッド」においてもその他の協議体においても、インド・太平洋域内の安全保障問題が議題となれば各国は、「米国か、中国か」の選択をしなければならない状況に追い込まれる可能性が高い。
韓国政府が米国発の「クワッド」関連の議論について「距離を置」いてきたことも、そのためである。米国との安全保障同盟関係と中国との経済的協力関係を考慮する必要があり、韓国政府としては「米中の二者択一」は決して容易ではない。
Copyrights(C) News1 wowkorea.jp 88