米・下院の高位関係者は10日(現地時間)、トム・ラントス人権委員会の聴聞会に対する韓国統一部の声明に「聴聞会の重要性をおとしめ、これに関係ない理由を提起することによって核心を別の所に向けようとしているように見える」と指摘。統一部が前日、記者声明会において、この聴聞会に対し「議決権限がないなど韓国の聴聞会と性格が違い、政策研究の集まりに近いものだと理解している」と発言したことに不快な心境を表したのだ。
この関係者は、韓国で提起されているこのような評価に対して「聴聞会をこき下ろそうとする政治的描写だ」とし、「下院には常任委員会以外に、中国や人権、欧州安保など特定のテーマを扱う特別委員会がある。トム・ラントス人権委員会のような特別委員会は、上院委員会のように法案を審査・修正はしないが、聴聞会を通じて事案をより深く取り扱っている」と説明した。
さらに「特別委員会の活動において、法案議決の権限がないという指摘は、核心から外れている」とし、「議会および世論に問題を伝え、議員たちの法案発議の重要性を判断するようにする聴聞会開催の力量は議決権とは関係がない」と指摘。また特別委員会は「caucus」と呼ばれる政策研究の集まりとは違い、議会の公式な設立許可とファンディングを受けた組織だと説明した。「韓国で出てきている批判は『オレンジを見て、なぜリンゴじゃないのか』と言っているのと同じだ」とも述べた。
ナチス・ドイツのホロコーストの生存者として人権問題に声を高めてきた故トム・ラントス下院議員の名前を掲げて2008年に設立されたこの人権委員会は、現在共和党のスミス議員と民主党のマクガバン議員が共同議長を務めている。韓国系のキム議員、民主党の“進歩4人組”の一人であるオマ議員ら39人がメンバーとなっている。先月には、バイデン大統領に北朝鮮人権特使の任命を求める書簡を送るなど、北朝鮮の人権改善のために活動してきた。
ワシントンの外交消息筋は「アメリカが外交の中心に置くと言った人権問題を扱う唯一の超党的組織に対して、韓国政府がこき下ろすような発言をするのは危険だ。トム・ラントス人権委員会が今後、中国の人権問題を扱うようになれば関連の活動に対する関心はさらに大きくなる」と見通した。
人権問題を扱ってきた元国務部当局者たちも、トム・ラントス人権委員会の影響力と重要性を強調。元国務部人権担当次官補代理は「韓国政府の当局者たちは、トム・ラントス人権委員会を過小評価してはならない」と述べた。トム・ラントス人権委員会の報告書と聴聞会、人権擁護活動が長い期間、アメリカの議員たちと行政府に影響を与えたということだ。
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