今月5日(現地時間)に幕を下ろしたG7(主要7か国)外相会議の共同声明のうちの一つである。G7外相会議の共同声明に「台湾」問題が明示されたのは、今回が初めてである。
加えて 声明には「中国」というカテゴリーが別途に設定されていて、新疆ウイグル自治区の住民たちの人権が侵害され、香港の民主主義が脅かされていると指摘されている。また 台湾のWHO(世界保健機関)への参加に対しての支持表明もされている。全て 中国の「タブー」を扱ったものである。
このような文言には すでに予兆があった。先月16日の日米首脳会談後の共同声明である。この声明には「我々は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を勧奨する」と明らかにしている。日米首脳による共同声明で「台湾」問題が言及されたのは、1962年以降 52年ぶりのことである。
このような状況の中 今回のG7外相会議にゲストとして招待された韓国としては、それこそ微妙な位置に立っている。韓国はG7加盟国ではないため、今回の声明文に参加してはいない。
そうかといって このような声明を出した会議に韓国が招請されたという点は、意味深長である。今回の招請国は、韓国をはじめとしてオーストラリア・インド・南アフリカ共和国である。南アフリカ共和国を除いた3か国は、アジア・太平洋地域において中国の影響力をけん制するための主要国たちである。G7と この3か国を合わせた10か国はまさに「D10(民主主義10)」であり、このD10構想を出した国は 今回のG7議長国である英国だ。
さらに 今回招請を受けたインドとオーストラリアは「クアッド(Quad・日米豪印の4か国安保協議体)」加入国である。
韓国は 主に首脳会談にだけ注目しがちだが、G7会議というのは単発性のイベントではない。今回のG7外相会議への韓国の参加は、議長国である英国の招請によるものである。当然、今回このような声明を出した外相会議に韓国を招請したことには、意図があるはずである。
今回の外相会議の声明は、来月11日に英国で開かれるG7首脳会談でも追認される予定である。各国の首脳たちが集った中に、ムン・ジェイン(文在寅)大統領もいるわけである。そして 今月21日は 米韓首脳会談が予定されている。いまや 米中間で「等距離外交」を指向してきた韓国に「選択の時」が近づいている。
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