「女性の社会進出で性差別は消えたが、役員と最高経営者(CEO)への選出はまだまだ。仕事と家庭を両立させた海外の制度を見習うべき」(イ・ボクシル世界女性理事協会韓国支部会長)
ユ・ミョンヒ大使とイ・ボクシル会長は26日、ソウルカンナム(江南)区インターコンチネンタルソウルCOEXで開かれた「第10回イーデイリーWフェスタ」に出席し、女性たちが社会の差別や偏見と闘って成し遂げた成果と限界、そして新型コロナウィルスがもたらした変化などをテーマに虚心坦懐に話し合った。
ユ大使は国内初の女性通商交渉本部長を歴任した通商分野の専門家だ。この30年間、産業通商資源部や外交部などで米韓自由貿易協定(FTA)交渉、世界最大のFTAである域内包括的経済パートナー協定(RCEP)などの交渉妥結に貢献した。イ会長は行政考試の4人目の女性合格者で、30年にわたり教育部と女性家族部に勤め、女性家族部次官を歴任した。2016年には女性の経営参加を拡大するため、世界女性理事協会韓国支部の創立メンバーとして参加し、2019年から会長として活動している。
彼らが社会に進出する時は性差別の壁がとても高かったと、ユ大使とイ会長は打ち明けた。「30年前に戻って再び公職生活をしろと言われたら『ノーサンキュー』と答えるだろう」と話すほどだ。ユ大使は「当時、私は子どもが病気だということを職場に伝えなかった。退勤後、病院で仮眠を取ったが、翌日にはより元気に見せるため、一所懸命化粧をして出勤した」と語り、「子どものいる女性は仕事をしてはいけないという偏見が多かったため」と話した。イ会長も「私が公職を夢見たのは当時、女性が就職する場所がなかったから」と語り、「当時、大企業で人材を選ぶ基準はほとんどが兵役経験者で、女性は試験成績だけで職業を持たざるを得なかった」と説明した。
彼女たちの視点で見渡す韓国は、まだ高位職のガラス天井はもちろん、家父長的な文化も変わらない国だ。イ会長は「企業で女性が役員になり、また役員からCEOになるのは依然として難しい」と語り、「外国の事例を見ると、女性たちの経歴が断絶しないように妊娠・出産・育児で行き届いた制度がある」と強調した。ユ大使も「家庭で育児責任と子どもの相談相手は依然として母親の役割で、何も変わっていないのが現実だ」ともどかしさをにじませた。
この日の対談では世界経済フォーラム(WEF)が最近発刊した「2021世界性別格差報告書」を引用して韓国の性別格差の現実を皮肉った。司会者のピョ・チャンウォン所長は「報告書によると、調査対象156カ国のうち韓国の性的平等の順位は102位と下位グループにとどまった。特に韓国は世界経済規模10位圏内に入る経済大国という評価を受けながらも、経済的性的平等部門ではさらに低い123位というひどい順位だった」と力説した。
このような性差別の現実の中で、新型コロナ禍は女性たちにとってチャンスになり得るという見方も示した。イ会長はヨーロッパなどの先進国を例に挙げ、「仕事と家庭の両立の面だけでなく、勤労者の暮らしの質を高めるためにもテレワークや集中勤労などを奨励している」とし、「先進国のような勤労形態が増えれば、韓国の組織社会が根強い会食や残業の悪習から脱することができる」と語った。
これに対してユ大使も共感を示した。彼女は「新型コロナが終息してもこのようなテレワークの習慣が続いてほしい。女性はもちろん、男性も自分の時間をはるかに効率的に使うことができるだろう」と語った。ただ、テレワークによる家事分担の弊害を女性ばかりが受けないようにするため、習慣づくりや政策的な立案も共に行われるべきだと意見した。
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