先週、反日活動家として知られる韓国のソンシン(誠信)女子大学のソ・ギョンドク(徐坰徳)教授が、島根県松江市の「竹島資料室」に学生解説員が配置されたことを批判した。

竹島(韓国名・独島)に関する資料を展示する竹島資料室は、先月から竹島問題の啓発を図ることを目的に学生解説員による展示資料の解説を始めた。島根県から委嘱を受けた4人の大学生が解説員を務めている。

これにソ教授は自身のSNSで「島根県が独島を自分たちの領土だと主張し、大学生まで動員して対外広報に拍車をかけている」「誤った洗脳教育をし、純粋な大学生を動員するという非常に愚かなことをしている」と批判した。

しかし、ソ教授が主張する「洗脳教育」はむしろ韓国の教育現場でこそ行われてきている。島根県内の中学校には、韓国の女子中学校の生徒名で、日本の竹島教育を批判する葉書が送り付けられたことがある。2018年11月に届いたはがきには、「教科書を信じないで」「独島はわが領土」などと記されていた。

また、南東部のキョンサンプクト(慶尚北道)のキョンブク(慶北)教育庁は、今年6月下旬から東京五輪開幕前日までの約1か月間、小中高生らを対象に「2021独島教育オリンピック」なる催しを開催。「独島愛クイズ大会」や「独島守護決意大会」などといった企画を展開した。

ソ教授は「日本の歴史わい曲を正す」と主張し、これまで長年にわたり竹島問題や元徴用工問題、慰安婦問題に関する対日批判や、「全世界、旭日旗撲滅キャンペーン」なる活動を続けてきた。今年5月には東京五輪・パラリンピック大会組織委員会のホームページの地図について「独島が日本領土のように表記されている」と反発。国際オリンピック委員会(IOC)などに表記訂正を求めるメールを送った。

また、先月25日の「独島の日」に合わせて、日本の岸信夫防衛相宛てに防衛省が製作した「はじめての防衛白書」に抗議するメールを送付した。「はじめての防衛白書」は令和3年版の防衛白書を小中学校の児童・生徒向けに再編集したもので、8月に同省ホームページに公開された。

ソ教授は「はじめての防衛白書」に掲載されている資料の日本地図で、独島(竹島の韓国名)を竹島と表記しているとして岸防衛相宛てのメールで「日本の小学生や青少年が誤った防衛白書を見て韓国を誤解する可能性がある」などと抗議した。

ソ教授は竹島資料室に学生解説員が配置されたことを受け、「我々も独島に関して学生たちに対する教育と、対外的な広報にもっと力を注ぐべき時だ。独島が大韓民国の領土だという歴史的、地理的、国際法的な理由だけの教育をするのではなく、このような日本のわい曲にどう対応するのかについての教育も並行して行わなければならない」としている。

竹島資料室における大学生の解説員配置を「洗脳教育」、「非常に愚かなこと」とし、「はじめての防衛白書」については日本の子どもたちが韓国を「誤解する可能性がある」と批判しながら、韓国の子どもたちに対する「独島教育」は奨励するという矛盾。

韓国も日本も、1965年の日韓国交正常化の直前、日韓の先人たちの知恵の「密約」を思い出す必要がある。両国の未来のため、竹島・独島問題を「未解決の解決」とし、摩擦を起こさない仕組みだった。この「独島密約」または「竹島密約」は、公式的には否認され今は幻となっているが、その概要は次のとおりと言われている。

●竹島・独島問題は解決しなければならないものとして解決したものと見做す。したがって韓日基本条約では言及しない。

●竹島・独島は今後、大韓民国と日本、共に自国の領土と主張することとする。お互いにこれに反論することに異議を申し立てない。

●将来に漁業区域を設定する場合、両国が竹島・独島を自国領土とする線を画定して、2つの線が重複する部分は「共同水域」とする。

●現在、韓国が「占拠」した現状を維持する。しかし、警備員を増強したり新しい施設の建築や増築はしない。

●この合意を今後ともずっと守って行く。

これを知る両国首脳は島に上陸はもちろん、国民を煽ることはなかった。それを破ったのは2012年8月10日に島に上陸し、支持率アップを狙ったイ・ミョンバク(李明博)元大統領である。その後、日韓関係を犠牲にしても個人の欲望を満たそうとする人たちが、光に狂ったガのように島に集まっている。

それからの9年、韓国と日本は何を得て、何を失ったのか。「知恵の密約」を思い出す時だ。

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