韓国最高裁判所は11日、殺人と児童福祉法上の常習児童虐待などの容疑で起訴されたA被告（29・女）・B被告（28・男）夫婦に対し、1審と同様それぞれ懲役30年の刑を宣告し、児童虐待治療プログラム200時間履修、10年間の児童関連機関への就業制限を命令した原審を確定した。
被害児童の実母であるA被告と継父のB被告は、2018年1月から昨年3月までインチョン（仁川）市の自宅でCちゃん（死亡当時満8歳）を拳やハンガーなどで持続的に暴行し、食べ物も与えず死亡させた容疑で裁判にかけられた。死亡当時、Cちゃんは持続的な虐待により体重は13キロしかなく、自分で排泄できない状態だったことがわかった。
A被告夫婦の虐待は児童保育施設で3年間過ごしたCちゃんとその兄（11）を家に連れてきた直後から始まった。夫婦はCちゃんが嘘をついたりトイレできちんと用を足せなかったという理由で持続的に拳などで暴行し、食べ物をほとんど与えなかった。
A被告は昨年3月2日にもおしっこをもらしたという理由で午後12時30分ごろCちゃんの服を脱がせた後、ハンガーで何度も叩いた。そして寒い日にもかかわらずCちゃんを浴室に連れて行き30分間冷たい水でシャワーさせ、体を拭きもせず2時間浴室に放置した。
B被告は退勤後、家に戻り午後2時30分ごろCちゃんが浴室で倒れているのを確認した後も、特別な措置をとらずリビングでゲームをした。その後、Cちゃんの呼吸が弱くなっていることを確認した夫婦は、虐待の事実が発覚することを恐れ、通報もせずCちゃんを部屋に連れて行き人工呼吸だけをした。
Cちゃんの状態がさらに悪化したものの、夫婦は通報する代わりに犯行の隠ぺいを図った。普段からCちゃんの暴行に使用したハンガーを折って林に捨て、Cちゃんの兄には「5回ぐらい体罰をしたと答えろ」と指示した。
夫婦が通報したのはCちゃんを発見してから6時間が過ぎた午後8時57分だった。夫婦は、「娘が息をしていない。娘が午前2時ごろに転んでしまい、夕方に見ると心停止状態だった。いつから息をしていなかったのかわからない」とうその内容を通報した。
消防当局が出動した当時、Cちゃんの呼吸はすでに止まっており、近隣の病院に運ばれたが、死亡した。消防当局の通報を受け現場に到着した警察は夫婦を緊急逮捕した。
夫婦は捜査機関と裁判の過程では、「虐待・遺棄・放任は事実だが、死亡は予想できなかった」とし、殺人の容疑を否認した。特にA被告は、「死亡当日、娘を叩いておらず、シャワーも冷水ではなくお湯でさせた。シャワーの後は体を拭いてあげた」と主張した。B被告も、「家に帰ったとき、Cちゃんがすでに死亡していたか、生存できない状態だった」と反論した。
しかし現場を目撃したCちゃんの兄の陳述により夫婦の主張は受け入れられなかった。Cちゃんの兄は捜査機関で、「母が妹をハンガーで叩く音を聞いた。冷たい水でシャワーをさせ妹がうめき声を上げ、シャワーの後に体を拭いてあげなかった。母は普段も妹が失敗をすると冷たい水でシャワーをさせた」と陳述した。
1審は、「被害者は3年以上の長い期間、虐待・遺棄・放任され、死亡に至るまでに経験した身体的・精神的苦痛は想像すらできないほどひどかっただろう」と、重刑を宣告した。
2審も、「最後の瞬間まで自身らの行為によりCちゃんが死亡した事実を知りながらも、責任から逃れるため互いに口裏を合わせ被害者の兄に虐待の事実を縮小して陳述することを要求したまま、被害者を放置し殺害した」とし、「罪質が極めて不良だ」と叱咤（しった）した。
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