中国政府がウクライナ問題への対応に苦慮…ドネツク・ルガンスク独立が台湾問題へ及ぼす影響を懸念か(画像提供:wowkorea)
中国政府がウクライナ問題への対応に苦慮…ドネツク・ルガンスク独立が台湾問題へ及ぼす影響を懸念か(画像提供:wowkorea)
ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の2地域を独立国家として承認すると宣言したことを受け、中国政府が難しい対応を迫られている。

 中国外交部の汪文斌報道官は22日の定例記者会見で、ウクライナ東部のドネツクとルガンスクの独立問題について「ウクライナ問題には複雑な歴史的経緯と現実的要素がある。中国政府のウクライナ問題に対する立場は一貫しており、これまで変更されたことはない」とし、「中国政府は国連憲章の原則に基づいて平和的に紛争を解決し、関係する各方面に自制を呼びかけ、話し合いを通じて問題の深刻化を防ぐことを主張する」と述べた。

 しかし、ロシアに対する制裁などへの具体的な対応については発言しなかった。

 また、記者会見では「ニューヨーク・タイムズ」の記者が「ロシアがウクライナを『独立国家』ではないと主張していることと、中国が台湾を中国の一部だと主張していることには類似点があるのではないか」と質問した。これに対し、汪報道官は「世界には一つの中国しか存在せず、台湾は中国領土の一部だ」という従来の立場を強調するにとどまり、ロシアの主張に対しては具体的な見解を示さなかった。

 汪報道官のいつにない歯切れの悪さに、中国政府がウクライナ問題への対応を苦慮しているのではないかとの指摘も出ている。

 米メディア「ブルームバーグ」の記者マシュー・ブルッカーはツイッターで、中国がウクライナ東部2地域の独立を認めるかどうか難しいかじ取りを迫られていると指摘。彼は「この問題は中国共産党にとって扱いの難しい問題だ。プーチンの行動を受け入れれば、分離主義を認めることになってしまう。ドネツクとルガンスクが独立できるのに台湾はどうして独立できないのか、ということになってしまう」と書いている。
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