中国外務省は公式会見の席上で、“戦争の危機に直面しているウクライナと台湾に類似点はあるのか”という質問について「“一つの中国”という原則の固守」という原論的な答弁で返した。

中国外務省の報道官はきのう(22日)の定例会見で、“ロシアによる全面侵攻の脅威に直面しているウクライナと、中国による軍事的圧力を受けている台湾に類似性はあるのか”という質問に「世界にはたったひとつの中国だけがあり台湾は中国領土であるため、譲ることのできない部分だ」と答えた。

このような質問が出た背景には、中国の王毅(おうき)国務委員兼外相が同日、アントニー・ブリンケン米国務長官との電話会談で語った発言がある。王毅外相はウクライナ問題に関して「全ての国の合理的な安保への懸念は尊重されなければならず、国連憲章の主旨と原則は必ず守られなければならないというのが、中国の一貫した立場だ」と語った。

報道官はこのことに関して、会見でより具体的な発言をした。“ロシアがウクライナの主権を侵害したとみているか”という質問に「一国の合理的な安保への懸念は尊重されなければならず、国連憲章の主旨と原則も共同で守られなければならない」とし「各国の主権と独立・領土の安全性を尊重するのは国際関係の基本準則であり、国連憲章の主旨を体現するものだ」と答えた。

王毅外相が言及した「合理的な安保への懸念」とは「NATO(北大西洋条約機構)の東進禁止を求めるロシアの懸念が尊重されるべきだ」という意味である。一方「国連憲章の主旨と原則守護」の言及は「ウクライナの主権と領土の完全性は守られるべきだ」という意味である。これは「ロシアがウクライナの領土を侵攻してはならない」ということを遠まわしに語ったものである。

このようなことから報道官の今回の発言は、ロシアとウクライナ双方に対する「中立基調」の下、緊張を高める行為の自粛・対話と交渉を通じた事態の解決などを求めたものである。

このことに関して米CNN放送は「中国外務省の報道官は、ウクライナ事態に関する14の質問のうち12に対して答弁をしなかった」とし「『国家主権保護を重要視すべきだ』という当然の外交的修辞とともに、ロシアとの蜜月関係を維持しようとする中国の複雑な心境が盛り込まれていた」と分析した。

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