100円ショップが300円ショップに…日本でお菓子、ビールも次々に価格引き上げ=韓国報道(画像提供:wowkorea)
100円ショップが300円ショップに…日本でお菓子、ビールも次々に価格引き上げ=韓国報道(画像提供:wowkorea)
消費者の反発を恐れて値上げに消極的だった日本企業まで相次いで製品やサービス価格を引き上げている。新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)のパンデミック(大流行)とロシアによるウクライナ侵攻、米国の基準金利引き上げなどが複合的に作用した結果だ。しかし、日本の消費者の購買力はむしろ後退し、景気低迷とインフレが同時に進行するスタグフレーションの懸念が出ている。

◇日本、“10円菓子”からビール・ラーメン代まで値上げ…庶民を直撃
 23日(きょう)付けの日本経済新聞によると、日本でダイソーを運営する大創産業は今年4月、銀座に「THREEPPY(スリーピー)」という300円ショップを開店した。スリーピーは日本最高のブランド通りにできた低価格ショップで、世間の大きな注目を集めた。大創産業は日本国内で新しく出店するショップの約40%をスリーピーのような300円ショップで構成するという目標を掲げている。

 日本経済新聞は「1991年に始めたダイソーの100円ショップチェーンは“日本経済の鏡”として通じていた。しかし、原材料価格の上昇と円安などでマージンが大幅に減少し、ダイソーまで価格を上げている」と説明した。

  ダイソーだけではない。庶民が好んで買い求める食料品の価格も相次いで値上がりしている。総務省によると、今年2月のラーメンの平均価格は609円と前年同月比で6円上昇し、関連調査を始めた2000年以後、最高値を記録した。ラーメンに使われる小麦粉と豚肉、スープに使われるさまざまな食材などの原材料価格が1年前より大きく上がったためだ。

 アサヒビールは15年ぶりに缶ビールの価格を6~10%引き上げると発表した。日本の酒類・飲料メーカーであるサントリー食品インターナショナルもペットボトル容器の飲料の価格を今年10月から20円引き上げると発表した。日本最大の回転寿司ブランド「スシロー」は38年間固守してきた“一皿100円”政策を撤廃し、10月から値上げすることにした。また、45年間10円を固守してきた日本の国民菓子「うまい棒」まで先月、12円に値上がりした。

 これに加え、グローバル市場で原油価格、液化天然ガス(LNG)、石炭などのエネルギー価格が急騰し、電気料金も引き続き上昇している。これは家計はもちろん、日本国内の全ての企業にも運送費や工場運営費の支出増大などの面で大きな打撃を与えている。ただ、スターバックスのように原価が上昇した一部の製品だけ値上げしたり、従来の製品より容量を減らす方式で費用上昇に対応する企業もある。

◇パンデミック・ウクライナ・円安で費用↑…耐えてきた企業が結局、消費者に転嫁
 このように、日本企業が相次いで製品・サービス価格をすでに上げたり、引き上げを予告するようになったのは、新型コロナのパンデミックとロシアによるウクライナ侵攻、米国の基準金利引き上げなどが複合的に作用した結果だ。まず、新型コロナのパンデミックとロシアによるウクライナ侵攻はグローバルサプライチェーンを悪化させ、世界的なインフレを触発した。このため、運送費などを含め、企業の全般的な支出が増えた。

 特にウクライナとロシアは主要穀物輸出国であるため、グローバル食品価格を引き上げている。ロシアとウクライナはこの3年間、全世界の小麦とトウモロコシの輸出でそれぞれ約30%と20%を占めた。

 合わせて、米国の連邦準備制度(Fed/連邦準備制度)がインフレを抑えるために基準金利を上げたが、日本は低金利・金融緩和政策を固守している。これが円安につながり、輸入物価が大幅に上昇した。

 結局、日本企業は原材料価格の引き上げなど費用増加の負担を消費者に転嫁することになったのだ。ダイソーの競争業者であり、別の低価格ショップであるセリア(Seria)の河合映治社長は「現在の高い原材料価格や円安水準が持続する場合、原価率も悪化せざるを得ない」と吐露した。

◇消費者の財布がさらに薄くなる…第2四半期もマイナス成長を懸念
 問題は消費者の財布がさらに薄くなったという点だ。日本の4月の物価上昇率は前年同月比2.1%を記録し、2015年3月(2.2%)以後、7年1か月ぶりの最高値を記録した。変動性の大きい生鮮食品などの価格まで反映すれば、物価上昇率は2.5%に跳ね上がる。しかし、今年3月の賃金上昇率は前年同月比で1.2%の成長に止まった。

 賃金上昇の勢いが物価上昇の勢いに追いつけず、実質購買力はさらに落ちたという診断だ。これを受け、一部の消費者らは趣味に使う金まで減らし、財布の紐を引き締めている。日本経済新聞が消費者1329人を対象に実施したアンケート調査の結果では9%、10人に1人の割合で動画配信サービスなどに対する支出を終了したいと答えた。

 日本経済新聞は「物価も賃金も上がらなかった過去の姿とは違うが、一部企業や店舗などは販売製品やサービス価格を上げた後、顧客が減少する傾向を見せている」とし、「需要不足事態で企業の利益はむしろ減少する恐れがある」と評した。

 日本の国内総生産(GDP)の半分以上を個人消費が占めるだけに、今年の第2四半期の経済成長率も第1四半期に続きマイナスを記録するという観測も出ている。野村総合研究所の木内登英エコノミストは「スタグフレーションが到来する可能性がある」と指摘した。

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